東野圭吾さんの『天使の耳』を読みました。
夜の交差点で2台の車による衝突事故が発生。
どちらかの車の運転手が赤信号を無視したことは明らかなのだが、一方の軽自動車の運転手は搬送先の病院で死んでしまう。
後部座席には女性が乗っていたが、目が見えないため信号が何色だったかは証言できなかった。
もう一方の車の運転手は、当然進行方向の信号は青で、軽自動車が信号無視をしたと証言する。
盲目の女性がとった奇想天外な方法とは。
交通事故に関する短編が6編収められています。
どの作品も、東野圭吾さんが短編で見せる捻りが加えられていて、面白い作品になっていました。
作品を読んでいると、これは法の不備だよなぁとか、最近ホットな話題だよなとか、自分が車を運転しているときのことを頭に思い浮かべながら、いろいろと考えさせられてしまいました。
『天使の耳』に関しては、そんなんで良いのかな?と思ったことが、そのままオチに繋がっていたり…
でも、結果オーライだったので、良かったのかな?なんて…
表題作のほか、『分離帯』、『危険な若葉』、『通りゃんせ』、『捨てないで』、『鏡の中で』が収められています。
『分離帯』
中央分離帯のある道路で、トラックの横転事故が発生。
事故直後に現場を離れる黒いアウディが目撃されたが…
『危険な若葉』
地元の人しか走らないような抜け道で、煽り運転にあった車がカーブを曲がり損ねた。
事故車を煽っていた車は現場を立ち去るが…
『通りゃんせ』
雪の夜に路上駐車をしていた車に、接触痕が。
後日、駐車車両に接触した男性が名乗り出るが…
『捨てないで』
高速道路を走行中、前方の車が投げ捨てたコーヒーの缶が、後方を走る車の助手席にいた女性を直撃した。
被害車両に乗っていたのは、女性の両親に挨拶をすませたばかりの男女。加害車両に乗っていたのは離婚の危機が押し迫った不倫中の男女だった。
『鏡の中で』
交差点で乗用車とバイクが接触する事故が発生した。
乗用車が交差点を曲がり損ねただけの単純な事故に思われたが、現場に残ったスリップ痕が薄いことが気にかかって…
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