東野圭吾さんの『白鳥とコウモリ』を読みました。
あらすじ
東京都港区に放置された車の後部座席で、弁護士・白石健介の刺殺体が発見された。
警察の捜査により、白石と生前連絡を取っていた者の中から、愛知県在住の倉木達郎が浮上するが、事件の背景に、さらに33年前に愛知県岡崎市で発生した冤罪事件の影が浮かび上がる。
33年前の事件では、お年寄りに金融商品を売りつけていた悪徳商社の社長・灰谷昭造が刺殺され、容疑者とされた男が拘置所内で首を吊って自殺していた。
感想
5分の1もいかないうちに容疑者逮捕。そして全面自供。
ここから、違和感を潰していく作業に入ります。
警察、被害者家族、加害者家族がそれぞれ納得できないまま、どこでボタンを掛け違えたのかを探ることになります。
どこから手をつければ良いのか?
小さな疑問を1つ1つ追っていき、事件の真相というジグソーパズルが完成していく様は、さすが東野圭吾さん。
ただ、事件の上っ面をなめているだけのような気がするのは私だけでしょうか。
加害者家族の心情を、『手紙』で見せたように、読むのが辛くなるくらい書き並べておいた方が、面白みが増したんじゃないかなぁと…
その上で、最終章でほろっとほどけさせるとより良かったんじゃないかなぁと思いました。
コメント