中山七里さんの『いつまでもショパン』を読みました。
5年に1度開催されるショパンコンクールに、岬洋介が81名のコンテスタントの中の1人として参加した。
予備予選を勝ち抜いたコンテスタントは1~3次予選と本戦に挑むことになるが、1次予選の最終日を前にして、予選会場の控え室で殺人事件が発生する。
被害者は心臓に銃弾を撃ち込まれたあと、手の10本の指を切り取られ、持ち去られていた。
警察は、〈ピアニスト〉と呼ばれる国際的なテロリストの犯行として捜査をはじめる。
さらに、会場周辺では爆弾によるテロが発生する。
ショパン国際ピアノコンクールと言えば、昨年2021年の大会で反田恭平氏が2位に入ったことが記憶に新しいですが、現存する国際ピアノコンクールとしては最古の歴史を持つコンクールだそうです。
相変わらずというか何と言うか、中山七里さんのピアノ演奏の描写は見事。
あまり詳しくない私にもわかった気にさせてくれますし、詳しい人であればもっと深く理解できるのでしょう。
ピアノに詳しい人からも、詳しくない人からも、そっぽを向かれない記述というのは、本当に難しいんだろうなぁと思います。
ピアノ演奏の描写も素晴らしいのですが、この作品はミステリ。
殺人事件が発生するということは、当然犯人捜しが必要になります。
ただ、”どんでん返しの帝王”と呼ばれている中山七里さんですが、今回は犯人、そして探偵役の岬が示した証拠ともども、言い当てることができました。
ショパンピアノコンクールの方にエネルギーを割きすぎて、どんでん返しを仕掛ける余地が残っていなかったでしょうか…
あと、パキスタンでの戦闘シーンが出てきますが、あれは必要だったのかな?と、少し首を捻ってしまいました。
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