東野圭吾さんの『幻夜』を読みました。
あらすじ
町工場を経営する水原幸夫が自殺した。
その通夜の翌朝、阪神大震災が町を襲う。
幸夫の息子・雅也は、がれきの中に横たわる叔父の俊郎を殴り殺してしまう。
それを見ていたのが、近くに住む新海美冬だった。
2人は東京に出て、新たな人生を歩み始める。
感想
『白夜行』と合わせて、3部作にする構想があるそうです。
『幻夜』はその2作目。
今のところ、3作目はまだ発表されていないようですが、『白夜行』を読んでからの方が楽しめる作品かなと思います。
『幻夜』単体でも楽しむことはできるのですが、『白夜行』を読んでからの方が、いろいろと考えることが増えて楽しいんじゃないかなと。
大きな成功を勝ち得るためには手段を選ばない美冬に対し、惚れた男の弱さを見せる雅也。
震災を乗り越えたからでしょうか。どちらも思い切りの良さが目を引きます。
後半はなんとなく想像していた流れだったのですが、だんだんと深くなっていって、どこまで行くのかと不安になってしまいました。
『白夜行』からの3部作と言われ、なるほどなと思いましたが、単体で読むと「?」が頭の中に残ることになってしまうかもしれません。
最後に何が起きたのかがよくわからなかったのですが、そこは想像する楽しみを残してくれたということでしょうか。
読み方によっては、さらに1段深い解釈ができると思います。
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