東野圭吾さんの『夜明けの街で』を読みました。
不倫する奴なんて馬鹿だと思っていた渡部は、ひょんなことから会社に派遣されてきた女性・仲西秋葉と恋に落ちた。
秋葉もまた、もし結婚相手が浮気したら殺すと豪語していたが、2人の仲は急速に接近していく。
妻に隠れてデートを重ねるうちに、渡部は秋葉が15年前の殺人事件の犯人として疑われていることを知る。
秋葉は時効が成立する3月31日になったら、いろいろ話せると言うのだが、その内容とは?
こういった話を読みながら考えてしまうのが、自分だったらどうするだろうなぁってことです。
不倫の経験があるわけではないのだけど、自分なら妻より彼女をとることができるのだろうかとか、妻に別れて欲しいと言えるのだろうかとか…
その点、ちょっと暴走気味の渡部に対して、秋葉はとっても大人。
自分の感情も、渡部の気持ちもうまくコントロールしながら、大人の対応を見せてくれます。
東野圭吾さんの名前を借りた女性作家が書いているのではないかと思うくらい、細かな気配りに感心してしまいます。
しかし、男性の身勝手さについては、やはり〈男・東野圭吾〉が書いているんだなって。
最後の展開については、頭を棒でぼかんと殴られたような衝撃を受けました。
ここで見せた秋葉が本当の秋葉なんだろうなと思うのですが、やっぱりいいコみたいです。渡部が惚れるのも良くわかります。
どちらかというと、呆気ない幕切れ。
でも、この終わり方が1番よかったのかなぁと感じました。
コメント