東野圭吾さんの『マスカレード・ゲーム』を読みました。
警視庁の稲垣管理官が、管内で発生した3件の殺人事件に共通点が多いことに気がついた。
被害者はいずれも正面から刃渡り15cm前後のナイフで刺されているだけでなく、前科のある者たちだった。
そのうちの1件の事件の関係者が、ホテル・コルテシア東京へ向かった。
さらに、残り2つの事件の関係者も、続々とホテル・コルテシア東京に集結してくる。
交換殺人ならぬローテーション殺人の可能性を感じとった新田係長らは、ホテル・コルテシア東京へ向かう。
「予想どおり面白かった」というのと同時に、「疲れた」というのが読み終わっての感想です。
面白いのは言うまでもなく。
疲れたというのは、ありとあらゆる可能性を考えながら読み進めることになるため、頭が本当に疲れます。
東野圭吾さんの作品に共通して言えることなのですが、特にこの「マスカレード・シリーズ」は疲れます。
ホテルという限られた空間で事件が展開していくため、怪しい人間は怪しいだけで、怪しくない人間が実は事件に深く関わっているということの繰り返し。
この人がこんな風に関わっていたらどうなんだろう?とか、このパターンは過去にあったなぁとか、実はこんなに前の段階で思い違いをしているんじゃないかとか…
それと同時に、考えさせられることもいろいろあって、犯人とわかるまではお客様の1人として扱いたいホテルと容疑者の1人として見ている警察。犯人を捕まえるためなら手段を選ばないのか否か。死刑が確定的な犯人に自殺する猶予を与えるか否かなど…
今回も難しい課題が突きつけられていたような気がします。
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