東野圭吾『真夏の方程式』

東野圭吾さんの『真夏の方程式』を読みました。

 

 

小学5年生の柄崎恭平は夏休みを過ごすために、1人で親戚がやっている旅館へ。
その道中、物理学者の湯川学と知り合う。
旅館がある玻璃ヶ浦は、海底に眠る鉱物資源の採掘を巡って揉めていた。
湯川はその採掘調査に関する説明のため、玻璃ヶ浦を訪れていた。

恭平が旅館に泊まった1日目の夜、旅館に泊まっていた客が行方不明になってしまう。
その男性客は翌朝、堤防の下の岩場に落ちてなくなっているのが発見された。
現場の状況に疑問を持った警視庁の管理官が死体を解剖に回してみると、死因は一酸化炭素中毒だったことがわかる。

『秘密』同様、映画で見たことがある作品だったので、後回しにしていましたが、原作をじっくり読んでみたいと思って手にしました。

初期の「ガリレオシリーズ」とは違って、現在の科学では表せない人間の心の中を描いた作品になっています。
そこに湯川がぴったりとフィットしているところがうまいなぁと思ってしまいます。

今回は他県での事件だったため、警視庁捜査一課の草薙や内海がどう関わってくるのかな?と思いながら読んでいたのですが、最後の最後になって、とてつもなく大きな仕事をしていたことに気づかされます。
確か、映画では割愛されていたんじゃないかな?と思うので、原作を読んで良かったなぁと思いました。

今回用意されている結末は、実に辛いもの。
読むのも辛いような話なのですが、湯川がそっと包んであげるところが何とも言えません。
犯罪を計画した人間が1番卑劣と言えるのでしょうが、その人だって…というところがあって、1人を責めるわけにはいかないといった感じ。
複雑な人間関係を、真夏の夜の夢の如くさらりと書いてしまう東野圭吾さんに脱帽です。

 

 

 

 

過去の「東野圭吾」記事

 

 

 

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