東野圭吾さんの『超・殺人事件』を読みました。
『超税金対策殺人事件』
いつになく収入の多い年になった小説家の俺は、来春支払わなければならない税金の額を見て絶句する。
会計事務所を営む友人と、いろいろなものを経費として扱おうと、小説を改編するが…
ハワイ旅行の代金を経費とするために、謎解きの舞台をハワイにしたり、車の修理費を経費にするために小説の中で車を壊してみたりと、税金対策のために小説の内容を変えてしまいます。
作家のように、収入が安定しない職業の人のあるあるなのかなぁと思いながら読ませていただきましたが、最後に究極の”税金対策”が用意されていたのに、思わずにんまりさせられました。
『超税金対策殺人事件』のほか、『超理系殺人事件』、『超犯人当て小説殺人事件(問題篇・解決篇』、『超高齢化社会殺人事件』、『超予告小説殺人事件』、『超長編小説殺人事件』、『超魔風館殺人事件(超最終回・ラスト5枚)』、『超読書機械殺人事件』の計8編が収められています。
『超理系殺人事件』
愛読していた科学雑誌が休刊になったことに心を痛めていた私は、『超理系殺人事件』という単行本を手にする。
登場人物たちは、量子力学や宇宙物理学、生物学などの難解な話をしているが…
『超犯人当て小説殺人事件(問題篇・解決篇)』
鵜戸川を担当する4人の編集者が集められた。
月刊誌に連載している犯人当て小説の犯人を当てることができたら、長編新作をプレゼントしてくれると言うが…
『超高齢化社会殺人事件』
作家の高齢化が顕著になり、小谷が担当する藪島も90歳に。
痴ほうがはじまっており、書いていることの辻褄が合わなくなってきてしまった。
『超予告小説殺人事件』
松井が連載中の小説と同じような状況で殺人事件が起きた。
次の掲載日の翌日にも、また同じような殺人事件が発生し…
『超長編小説殺人事件』
小説の優劣が作品の長さで語られるようになったため、葛原は八百枚の原稿を二千枚に引き伸ばす。
さらに長い作品を求められた葛原と編集者は…
『超魔風館殺人事件(超最終回・ラスト5枚)』
編集者に上手いこと言われて連載小説を書くことになったが、最終回の原稿を前にして、肝心なトリックや犯人が見つからない。
『超読書機械殺人事件』
評論家の門馬のところに、高機能読書マシンのセールスマンがやって来た。
この機械を使えば、本の内容を要約したり、感想や書評を出力できるのだという。
過去の「東野圭吾」記事
コメント