東野圭吾さんの『虚ろな十字架』を読みました。
中原道正、小夜子夫妻は、強盗に一人娘の命を奪われた。
犯人に死刑判決が出たあと2人は離婚したが、数年後、今度は小夜子が強盗に襲われて命を奪われてしまう。
小夜子は離婚後、フリーライターとなり、死刑廃止反対を訴えていた。
小夜子を殺害した犯人はすぐに自首してきたが、犯人の婿にあたる小児科医の仁科史也は、誰にも言えない重い十字架を背負っていた。
毎度のことながら、東野圭吾さんって本当によく勉強されているよなぁと感心してしまいます。
今回のテーマの1つである死刑についても、天邪鬼な私はすぐにあら探しをしたくなるのですが、つけいる隙を与えないような内容になっています。
東野圭吾さん自身が死刑廃止反対派なのかどうかはわかりませんが、小夜子の死刑廃止反対という立場で物語が進んでいきます。
しかし、最後に読者は苦渋の選択を迫られることになってしまいます。
「死刑は何も生まない」という言葉の重さが、最後になって思い出される作品でした。
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