赤川次郎さんの『屋根裏の少女』を読みました。
木崎初と紘子は、両親がやっとの思いで手に入れた中古住宅に引っ越してきた。
しかし、夜な夜な少女の幽霊が出てきて、ピアノを弾いたり一緒にジュースを飲んだりする。
初が同級生の小中あかねと一緒に地区の老人に話を訊いたところ、この家では少女が家族5人を惨殺するという事件が起きていた。
娘の紘子と息子の初が主人公と言えば良いのでしょうが、どちらかというと初の方がメインになっています。
これは赤川次郎さんにとっては珍しいこと。
子供でもない、大人でもない年代の少女を主人公にすることが多い赤川次郎さんですが、少年が主人公という作品はほとんどありません。
男の子の側から見た初恋の話など、同性からすると小恥ずかしい気持ちになってしまうので、私にとっては好都合なのですが…
今回の話、中古住宅に引っ越してきた木崎家の人々の前に、少女の幽霊が出てくるのですが、この幽霊が人間味に溢れていて微笑ましく感じたりします。
後半は気性の荒いところも見えてくるのですが、恋だとか嫉妬といった感情に駆られていて、人間臭いなあと思ってしまいました。
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