【読書】東野圭吾『麒麟の翼』

東野圭吾 加賀恭一郎シリーズ └ 東野圭吾

東野圭吾さんの『麒麟の翼』を読みました。

あらすじ

江戸橋の地下道で刺された青柳武明が、日本橋の麒麟の象にもたれかかる形で絶命した。
警察は、人形町にある公園に潜んでいた不審な男・八島冬樹を発見、追跡したが、八島は道路に飛び出して事故死してしまった。
八島は以前、青柳が務める会社で派遣社員として働いていたが、労災隠しにあった上、雇い止めにあっていた。
警察は八島が青柳を恨んでの犯行とみて裏付け捜査を行うが…

感想

この『麒麟の翼』は、映画で見たことがあったので飛ばしていたのですが、やっぱり原作を読んでおきたいなと思い、手に取りました。
映画は面白い部分を繋いでいっているのですが、やっぱり原作を読むと厚みが違います。
プロ野球でいえば、得点シーンを繋いだダイジェストと、1球ごとの駆け引きが見られるライブ映像って感じでしょうか。
これだけのボリュームの小説を約2時間に纏めるわけですから、仕方ないことなんですけどね。

内容は、他の「加賀恭一郎シリーズ」同様、地味だけど面白いといったもの。
事件ではなく、関わった人間を見ているからこそ辿り着けた結論。
ミステリ小説なのに、なぜか心が温まります。

加賀が辿り着いた真実は、ちょっと重いもので、私の中では少しタブーの領域に入っているのですが、それをしっかりと読ませてくれる筆力に感動です。

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