北海道にいながら、東京にいる夫を毒殺することはできるか?
妻が用意した空前絶後のトリックとは?
シリーズ累計1320万部突破の、東野ミステリー屈指の傑作。
東野圭吾さんの『聖女の救済』を読みました。
あらすじ
真柴義孝と綾音は、「結婚して、もし一年以内に子供ができなかったら別れよう」と約束をして結婚した。
そして1年後、子供を授からなかった綾音に、義孝は別れを切り出した。
すでにその時、義孝は綾音のパッチワークの弟子・若山宏美との関係ができていた。
綾音は実家のある北海道に里帰りするが、留守中の真柴家では、義孝が服毒死を遂げていた。
捜査にあたった警視庁の内海薫刑事は、北海道にいながら義孝を毒殺することはできないかと、物理学准教授の湯川学に相談を持ちかける。
感想
これは、問題作かも知れない…
湯川が今回使用されたトリックのことを、虚数解と例える場面がありますが、まさに突拍子もないトリックです。
それでいて美しい。
久々に謎解きを読んで鳥肌が立った気がします。
それにしても、こんなトリックが実現可能なのか?
そんなところも、「虚数解」という例えがぴったりくるような気がします。
毒殺というのは、その場にいなくても犯罪が可能な殺害方法です。
それを、どうリモートからやってのけるかというところに視線を引きつけておいて、もっと大がかりなトリックを用意しておく。
東野圭吾さんの計算がピタリとはまった作品ではないでしょうか。
個人的にはかなりオススメな作品です。
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