赤川次郎さんの『幽霊たちのエピローグ』を読みました。
あらすじ
大宅令子が家庭教師をしている末川ひとみの家が持っている〈幽霊屋敷〉が取り壊されることになった。
しかし、「幽霊屋敷を取り壊すのはやめよ。さもないと幽霊の復讐がある」という脅迫文が届けられた。
令子とひとみ、令子の恋人でカメラマンの新村誠二が幽霊屋敷の地下通路を調べたところ、ひとみの恋人の佐木勇一の死体が見つかった。
その地下通路は科学技術庁長官の並木安郎の敷地につながっており、並木の息子・正一とひとみは、幼い頃よく一緒に遊んでいた仲だった。
感想
「もうひとつの幽霊シリーズ」とも呼ばれる、「大宅令子シリーズ」の2冊目です。
と言っても、このシリーズは今のところ2冊しか存在しないのですが…
本家「幽霊シリーズ(永井夕子シリーズ)」よりも、本物の幽霊に近いテーマを扱っているのが特徴です。
『幽霊から愛をこめて』では16歳の高校生だった大宅令子は、19歳の大学生に。
これくらいの年齢以上の方が、事件に首を突っ込みやすくて、都合が良いのかな?と思ってしまいました。
「もうひとつの幽霊シリーズ」なんだけど、愛や家族が大切にされた作品のように感じます。
幽霊と愛情というのは、相対的な位置にあるというメッセージでしょうか。
愛に恵まれなかったから、幽霊になってしまったといったような…
適度に軽くて、適度に考えさせられて、適度に心が温まる作品なので、私は結構お気に入りです。
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