【読書】赤川次郎『氷河の中の悪魔』

赤川次郎 悪魔シリーズ ├ 赤川次郎

赤川次郎さんの『氷河の中の悪魔』を読みました。

あらすじ

前作『納骨堂の悪魔』でドイツに渡った、矢吹由利子・真由子姉妹と弘野香子、桑田旭子の4人ですが、ヨーロッパ滞在期間を延ばしてスイスへ向かいます。
4人が到着した町では、流れ出した氷河の中から男性が見つかったということで大騒ぎ。
氷河の中に閉じ込められていたのは、40年前に登山中に遭難した男性だった。
しかし、男性を火葬したあとから、香子が折れたナイフの刃先を発見したことから、事態が一変する。

一方、ミュンヘンで暮らす明美は、ドイツ人の夫が良からぬ仕事に手を出して失敗し、至急10万ドルを用意する必要に迫られた。
由利子たち4人が滞在するホテルのオーナーである桃井陽子や、ファッションデザイナーの山形健児など、昔の仲間たちに助けを求めるが…

感想

「悪魔シリーズ」8作目の長編作品です。
前作『納骨堂の悪魔』でドイツを訪れた4人ですが、こん度はそのままスイスへ向かいます。
赤川次郎さんお得意の、ドイツ語圏の国を舞台とした作品になっています。

この作品、これまでの「悪魔シリーズ」とはちょっと違った作品になっているな、と感じました。
普段なら、矢吹由利子ら4人が事件に巻き込まれてしまう(巻き込まれにいってしまう)のですが、この作品では、ちょっと外側から、事件の展開を傍観しているように見えます。
そのため、危険な目に遭うこともほとんどなく…
まぁ、これ以上怪我をして、日本に帰れなくなっても困るのですが…

今回の作品は、由利子たち4人が悪を正すのではなく、現地の人たちが自ら悪魔を追い出すのを手伝うといった作品になっています。
いつものような派手さはありませんが、由利子たちが1歩大人への階段を上がったとも見えでしょうか。
いつもと一風変わった4人の活躍が楽しめるかと思います。

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