赤川次郎『禁じられたソナタ』

赤川次郎さんの『禁じられたソナタ』を読みました。

飛岡音楽院の理事長・飛岡栄一郎が亡くなった。
飛岡は、なくなる直前に2人の孫娘を枕元に呼び寄せ、真由子には理事長と学長を継ぐように、有紀子には『送別のソナタ』の楽譜を渡した。しかし、その『送別のソナタ』を絶対に弾くなと言い残し、息を引き取った。

有紀子は、飛岡の言葉どおり『送別のソナタ』の楽譜を封印しようとするが、友人の吉川静香が譜面のコピーを、ピアニストの桐谷和明に渡してしまう。
『送別のソナタ』の世界観に魅了された桐谷は、自宅で練習を重ねるが、音楽院の周りでは、怪奇な出来事が発生していた。

赤川次郎さんお得意の、音楽を舞台にした作品かと思って、気軽に手に取って、読みはじめたのですが、これって、ホラーなんですね…
実は、私はホラーが大の苦手で…
「天使と悪魔シリーズ」や「吸血鬼エリカシリーズ」、「怪異名所巡りシリーズ」などは読めるのですが、この作品のような、何か得体の知らないものに、自分の身体が支配されてしまいそうな作品は、ダメです。

音楽の持つ力を、こういった形で表現されたのでしょうが、背筋がゾワゾワとしてしまいます。
成り行きで、有紀子がタクトを握ることになった場面でも、音楽の持つ力を表現したかったのだと思いますが、その後の展開がなくて、ちょっと拍子抜けだったかな。
でも、あれが未来への希望を表していたとすると、変に事件解決の手段として使わなかったのは、正解だったのかも。

ホラーに対する苦手意識が勝ってしまいましたが、奥深い作品だと思います。

 

 

 

 

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