東野圭吾さんの『プラチナデータ』を読みました。
警察庁がDNA捜査システムを完成させた。
犯罪現場に残されたDNAをもとに、犯人のプロフィールや風貌をプロファイリングするだけでなく、国民から提出されたサンプルから、その家族や親戚など、極めて狭い範囲まで犯人を絞り込むことができるシステムである。
しかし、システムを中心になって開発した天才数学者の蓼科早樹が殺害されてしまう。
現場に残されていた毛髪から、DNA捜査システムが導き出したのは、警察庁でシステムをの開発に携わった神楽龍平だった。
神楽はアメリカからシステムを勉強しに来たという白鳥里沙の助けを借りて逃走を続けるが、神楽は多重人格者であるという秘密を抱えていた。
一方、警視庁の警部補・浅間玲司は、警察庁から兵隊以下の歯車扱いを受けることに反発しながら、事件の真相に迫る。
先日、久々に東野圭吾さんの作品を読んで、やっぱり面白いなぁってことで、纏まって時間がとれそうなときに、また1冊手に取ってみました。
DNAから、犯人の風貌をプロファイリングしたり、システムに登録されている人の近親者であることを突き止めたりということは、技術的には現在でも可能なんじゃないかと思えてしまう、近未来が舞台となっています。
そのシステムの開発に関わった警察庁の人間が、ある事件の犯人として名指しされてしまうというのが、この本を手に取った理由。
だって、文句なしに面白そうじゃないですか?
そこまでは、裏表紙のあらすじから読み取れるのですが、この神楽という人物、多重人格者であるという秘密を抱えています。
もし、別の人格が殺人を犯した場合、その人間は罪に問われるのか?というのは、アメリカなんかでは昔からある問題で、それにどう向き合うのかな?と、どんどん引き込まれていってしまいます。
はみ出し刑事の浅間が、事件の真相を追って奔走する姿や、物語の展開など、東野圭吾さんらしさが詰まった作品になっていました。
細部まで計算し尽くされているところなんかも、上手いなぁって思いながら読ませていただきました。
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