東野圭吾『回廊亭殺人事件』

東野圭吾さんの『回廊亭殺人事件』を読みました。

一ヶ原高顕の秘書・桐生枝梨子は、半年前、回廊亭と呼ばれる旅館で、首を絞められて気絶したあと、部屋に火を放たれて瀕死の重傷を負った。
枝梨子の恋人・里中二郎による無理心中とみられたが、枝梨子は真犯人に復讐するため、病院を抜け出して偽装自殺を図った。
そして、一ヶ原高顕の死後、高顕と繋がりのあった老人・本間菊代になりすまして、高顕の遺書が公表される回廊亭へと戻ってきた。
枝梨子は、真犯人を誘き出すための仕掛けを用意して、その時を待つが、罠にかかった人物を問いただすために部屋を訪れると、すでに殺害されたあとだった。

久々の東野圭吾さんです。
一時期よく読んでいたのですが、最近は10分とか15分の隙間時間を使って本を読むことが多いので、どうしても赤川次郎さんのような軽めの本を選ぶことが多くなっていて…

この『回廊亭殺人事件』、読みはじめた途端、「前に読んだかも?」と思ったのですが、どうやら読んでいなかった様子。
読んでいたとしても、ストーリーを綺麗さっぱり忘れてしまっていたので、久々の東野圭吾さんを堪能することができました。

桐生枝梨子が、自分と里中二郎を心中に見せかけて殺そうとした犯人を捜すのですが、新たな殺人が発生。
警察が介入してくるわけですが、枝梨子の目的は復讐ですので、真犯人を警察に突き出すだけでは目的は達せられません。
そのあたりが、一般的な推理小説との違いでしょうか。

素人探偵故に、見落としや死角があって、そこからもう一展開あれば面白かったかなぁとも思いましたが、利用したのは読者の死角の方でした。
それはそれで面白かったのですが、枝梨子の行動に安定感がありすぎたのが気になりました。
あれを崩してやったら、誰も何も分からなくなって、もっとスリルが味わえたんじゃないかなぁって…

 

 

 

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