内田康夫さんの『長崎殺人事件』を読みました。
軽井沢に住む内田康夫氏のもとに、老舗カステラメーカーの娘・松波春香から助けを求める手紙が舞い込みます。春香の父親が殺人の容疑で逮捕されたのだという。
その頃、長崎ではグラバー園で連続殺人事件が発生しており、地元代議士からの要請で浅見はその事件の捜査に借り出されていた。
この作品、話としてはよくできているように思うのですが、犯行の動機がいまいち良くわかりません。
この動機であれば、真っ先に殺されるはずの人物が他にいると思うのですが…
「浅見光彦シリーズ」では、浅見光彦が警察庁刑事局長の弟であるというのがいつ知れるかというのが1つの見所ですが、『長崎殺人事件』ではそのタイミングが絶妙です。
可能な限り独力で捜査を進め、警察の力が必要になったところで身元が知れる…
兄の権威を借りて捜査を進める嫌らしさはないし、必要になったところで警察の力を借りることができるため、捜査が行き詰まる感もありません。
いやぁ、絶妙です。
過去の「内田康夫」記事
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