▼著者 ヤ行

【読書】柳原慧『パーフェクト・プラン』

かつて新宿3丁目界隈に名を馳せたホステスだった小田桐良江は、他人の子を妊娠し、出産することを生業にしていた。そんなある日、自分が出産した子供が親から虐待されているのを見てしまう。それを知った元キャバクラの店長・田代貴司は、合法的に大金を稼ぐ方法を思いつく。
├ 濱嘉之

【読書】濱嘉之『院内刑事 フェイク・レセプト』

川崎殿町病院リスクマネジメント担当顧問の廣瀬は、院内の看護師の中から1名を、自らの部下に引き入れる。さらに、神奈川県警の中途退職者2名もリスクマネジメント担当として受け入れる。院内では、医療費未払い問題や有力国会議員の出産など、次々に面倒ごとが発生するが、再構成されたメンバーでそれらの事案を乗り越えていく。
├ 小路幸也

【読書】小路幸也『ヘイ・ジュード』

古本屋〈東京バンドワゴン〉の前の道が陥没してしまった。そこでガードマンとしてやってきたのが、研人のバンドでベースを弾いている渡辺君のお父さんだった。勤めていた企業をリストラされてしまったらしい。一方、IT企業社長の藤島の父で書道家の三吉が亡くなった。藤島は、三吉の記念館の館長になるよう、親戚から言われるが…
├ 辻村深月

【読書】辻村深月『スロウハイツの神様』

小説家や脚本家、漫画家や画家のたまごたちが生活を送る現代の〈トキワ荘〉、〈スロウハイツ〉。売れっ子小説家なのに家賃1万円の風呂、トイレ共同のアパートに住むチヨダ・コーキは、過去に自分の作品をヒントに15人が自殺ゲームを行うという事態に見舞われた。さらに、今度はコーキそっくりの作品を別媒体に連載する作家が現れる。
├ 歌田年

【読書】歌田年『紙鑑定士の事件ファイル 紙とクイズと密室と』

紙業界紙『月間KAMI - ZINE』に、紙人32面相からのクイズが掲載された。その1問目、2問目に見事正解した自称紙鑑定士の渡部圭は、『月間KAMI - ZINE』の担当者・小牟田千果咲から、姉の自殺の真相を調べるのを助けて欲しいと依頼される。千果咲は姉の死を殺人によるものだと考えていたが、部屋が密室になっていたことから、警察は自殺だと判断していた。さらに、『月間KAMI - ZINE』に掲載した問題は、姉を殺害した犯人をあぶり出すためのものだった。
▼著者 サ行

【読書】杉井光『世界でいちばん透きとおった物語』

藤阪燈真は、ベストセラー作家の宮内彰吾と愛人の間に生まれた子供。母を亡くしたあと、書店でアルバイトをしながら生活していたが、宮内死去のニュースが飛び込んできた。燈真は認知されていないため、葬儀に出席しなかったが、後日異母兄の松方朋晃から電話がかかってくる。『世界でいちばん透きとおった物語』という小説を死ぬ間際に書いていたらしいが、何か知らないかと。燈真はバイトの傍ら、宮内の遺稿探しをはじめる。
└ 中山七里

【読書】中山七里『彷徨う者たち』

東日本大震災から7年。仮設住宅から災害公営住宅への転居が進む中、一部の住民は仮設住宅からの転居を拒んでいた。そんな住民の対応にあたる町役場の掛川勇児が殺害され、内側から鍵のかかった仮設住宅の中で見つかった。
├ 小路幸也

【読書】小路幸也『テレビ探偵』

バンドとして伸び悩んでいた〈ザ・トレインズ〉は、土曜日夜8時に生放送のコント番組『土曜だ!バンバンバン』を担当することになった。その生放送中、ドラマ『スパイハンター』のアクションスター・石垣剛がキャットウォークからロープを伝って降りるシーンで、ロープが切れて転落してしまった。〈ザ・トレインズ〉の付き人の葛西チャコが切れたロープの断面を見ると、刃物で切り込みを入れられた跡が…
├ 濱嘉之

【読書】濱嘉之『警視庁公安部・片野坂彰 国境の銃弾』

韓国からの観光客で賑わう対馬の展望台で、観光客から少し離れたところで電話に耳を寄せていた3人の男が、1発の銃弾で銃殺された。使用された銃弾は威力の高いファインセラミック製。警視庁公安部特別捜査班の片野坂彰ら3人は、情報を求めて動き出す。
└ 近藤史恵

【読書】近藤史恵『カナリヤは眠れない』

雑誌社に勤める小松崎雄大は、金銭感覚が狂ってしまってカード破産を迎えようとしているような女性の特集を担当することになった。首を寝違えてしまった雄大は、偶然知り合った女性が勤める接骨院を紹介されるが、そこは雑居ビルの屋上だった。腕はピカイチだが、偏屈で変わり者の院長の合田。その前に、カードで身を滅ぼそうとしかかっている女性が現れるが、合田は彼女にただならぬ気配を感じる。
└ 方丈貴恵

【読書】方丈貴恵『アミュレットホテル』

ホテルに損害を与えないこと、ホテルの敷地内で傷害・殺人事件を起こさないこと。この2つのルールさえ守れば、ルームサービスでピッキングツールや拳銃の弾丸を依頼しても応えてくれる、犯罪者御用達のホテル〈アミュレットホテル〉で殺人事件が発生した。しかも、犯罪が起きた部屋は密室。ホテル専属の探偵・桐生はさっそく密室の謎の解明と犯人探しに取りかかる。
├ 有栖川有栖

【読書】有栖川有栖『双頭の悪魔』

身近な人が巻き込まれた事件で心に傷を負ったマリアは、四国の山奥にある村に辿り着いた。そこは、廃村を買い取り、芸術家たちが暮らす村だった。実家ともほとんど連絡を取ろうとしないマリアを心配して、推理小説研究会の有栖川有栖や江神二郎たちは、マリアが滞在する村を訪れるが、村の入口の橋で追い返されてしまう。そして、橋の向こう側とこちら側で、殺人事件が発生してしまう。
├ 濱嘉之

【読書】濱嘉之『院内刑事 ブラック・メディスン』

廣瀬知剛がリスクマネジメント担当顧問を務める川崎殿町病院の内蔵外科医師・藤田幹夫が、大手製薬会社から多額の賄賂を受け取っていることが発覚する。また、川崎殿町病院のコンピュータを狙って、中国と北朝鮮からサイバー攻撃を受けていることがわかる。
├ 小路幸也

【読書】小路幸也『ラブ・ミー・テンダー』

児童養護施設で暮らす鈴木秋実は、同じ養護施設で育ってアイドルになった冴季キリから、好きな人ができて駆け落ちしたいけど、見つかったら殺されるとの電話を受け、キリの事務所に忍び込もうとしたところを見つかったしまった。事務所の血の気の多い連中に取り囲まれた秋実を助けたのが、バンド〈LOVE TIMER〉のヴォーカル・我南人だった。
├ 横関大

【読書】横関大『ホームズの娘』

都内で飲食店を経営している金子隆志の妻・育美が殺害された。浮気がバレた隆志は育美から離婚を切り出されており、容疑者として隆志の名前があがったが、隆志には完璧なアリバイがあった。事件は、警視庁の刑事・北条美雲の推理で無事解決したが、犯人はモリアーティと名乗る人物から、インターネットで犯行方法を買ったと言う。そのモリアーティから、美雲とその先輩刑事・桜庭和馬に挑戦状が叩きつけられる。
├ 下村敦史

【読書】下村敦史『生還者』

増田直志の兄・謙一が、ヒマラヤ山脈の未踏峰・カンチェンジュンガ登頂中に、雪崩に巻き込まれて死亡した。兄の遺品を確認していた直志は、ザイルの切断面に刃物で切られたあとを発見する。その雪崩から生還した高瀬正輝は、謙一と同じ登山隊の加賀谷善弘に助けられたと証言する。一方、謙一と同じ登山隊で、奇跡的に生還した東恭一郎は、加賀谷は登山隊を見捨てた卑怯者だと言う。
├ 三上延

【読書】三上延『ビブリア古書堂の事件手帖IV ~扉子たちと継がれる道』

戦中、川端康成や久米正雄、高見順ら鎌倉文士が立ち上げた貸本屋〈鎌倉文庫〉。ここには、夏目家が寄贈した漱石の初版本なども並んでいたというが、千冊あったと言われる貸出本も、発見されたのは数冊で、残りは行方不明になっている。昭和、平成、令和のビブリア古書堂の娘たち、智恵子、栞子、扉子は、残りの鎌倉文庫の貸出本の行方を捜すことになる。
├ 濱嘉之

【読書】濱嘉之『ヒトイチ 内部告発 警視庁人事一課監察』

青信号の交差点を渡っていた女子大学生が、車にはねられるという事故が発生した。ドライバーはそのまま現場を立ち去ったが、事故を起こしたかもしれないと、女性が出頭してきた。一方、事故車両の所有者は交通部長の時枝雄一郎で、Nシステムに記録された時に運転していたのは、息子の公一警部補だった。
├ 早坂吝

【読書】早坂吝『殺人犯対殺人鬼』

職員がいなくなった夜、孤島に建つ児童養護施設で暮らす網走は、剛竜寺翔を殺害するために部屋へ行ったが、すでに剛竜寺は殺害されたあとだった。翌朝、剛竜寺の死体が見つかるが、嵐のため職員はまだ帰ってこれない。探偵気取りの探沢ジャーロが捜査を開始するが、第2、第3の被害者が出てしまう。
├ 貴志祐介

【読書】貴志祐介『ミステリークロック』

ミステリー作家・森怜子が所有する、人里離れた山荘に、弁護士の青砥純子と防犯コンサルタントの榎本径が招待された。晩餐会の後、明朝〆切りの仕事があると言って中座した怜子が、仕事部屋で殺害されてしまった。夫の時実玄輝は、この中に殺人犯がいるとして、犯人探しをはじめる。
└ 中山七里

【読書】中山七里『有罪、とAIは告げた』

日中技術交流の一環として、東京高裁に中国が開発した「AI裁判官」を導入することになった。過去に書いた判決文と習慣を入力すると、その裁判官の判決を再現できるという。そんな時、18歳の少年が飲んだくれの父親をめった刺しにして殺害するという事件が発生した。この事件を「AI裁判官」に裁かせると、死刑という判決が出た。
├ 赤川次郎

【読書】赤川次郎『幽霊健診日』

警視庁捜査一課の宇野喬一警部が、女子大生の永井夕子とのデート中に気を失い、病院に搬送された。幸いすぐに意識を取り戻したが、翌朝、病院の休憩所で医師の神林早百合が殺害されてしまう。
├ 濱嘉之

【読書】濱嘉之『院内刑事』

福岡から東京へ向かう飛行機の中で、財務大臣の朝野が脳梗塞を発症した。幸い、処置が早かったため一命をとりとめたが、病理検査で血圧の昇圧剤が検出された。特命を受けた秋元誠一郎は1人福岡へ飛び、朝野に昇圧剤を飲ませた人物の捜査を行う。
├ 小路幸也

【読書】小路幸也『ロング・ロング・ホリディ』

札幌にある喫茶店〈D〉で働きながら、大学に通うコーヘイ。そのコーヘイのもとを、5歳年上の東京で働く姉が訪ねてきた。しばらく、コーヘイの家に滞在させてほしいのだという。仲の良いバイト仲間や常連客たちの間に、小さな変化が積み重なっていく。