感想

├ 東川篤哉

【読書】東川篤哉『谷根千ミステリ散歩 中途半端な逆さま問題』

滝口久恵が仲間たちとの伊豆旅行から帰宅すると、見慣れたはずの家の中の様子が何だかおかしい。写真立てが逆さに置かれていたり、本棚に置かれた書籍や雑誌、DVDなどもすべて逆さになっている。DVDプレーヤーは前後逆さになっているし、金庫も天地逆さになっていた。慌てて金庫の中などをあらためた久恵だったが、何も盗まれたものはなかった。
├ 赤川次郎

【読書】赤川次郎『三毛猫ホームズの懸賞金』

どこにでもいるサラリーマン・矢崎俊男は、妻に「俺は狙われているんだ」と言い残して家を出たあと、バスの中で刺されて死亡した。一方、一発屋の演歌歌手・百瀬太朗の地方公演前、マネージャーの立木ルミ子の携帯に〈百瀬にしっかり歌わせろ。やる気のない歌だったと思ったら、百瀬を殺す〉とのメールが届いた。その日は百瀬をのせて乗り切ったが、後日、百瀬が1曲披露したパーティーで、やる気のない歌を披露した辻村涼が殺害された。ルミ子の高校の同級生で、警視庁の刑事である片山義太郎は、愛猫のホームズの力を借りながら、姿の見えない犯人を追う。
├ 赤川次郎

【読書】赤川次郎『落葉同盟』

フリージャーナリストの松橋泉が国会議員・寺本浩紀のスキャンダルを追っていると、突然、殺人容疑で逮捕されてしまった。泉は未婚だが、16歳の娘・奈美がいる。奈美は心の病気で、明るいところに出てこれないという障害を抱えていた。
├ 赤川次郎

【読書】赤川次郎『幽霊記念日』

永井夕子が通う大学の教授・水科恭子の息子・正治は、3年前の大学1年生の時に、失恋を苦に自殺してしまった。それ以降、正治が自殺した日の講義は、追悼の儀式へと姿を変えることになる。そして、正治のことを知る学生がいなくなるこの年、”追悼の儀式”中に講義室の電気が消え、人魂があわられる。しかも、電気がつくと、ひとりの学生が血まみれに…
├ 赤川次郎

【読書】赤川次郎『三姉妹探偵団7 駆け落ち篇』

三姉妹の長女・綾子は、友人・米原朋子の婚約披露パーティーで、重要な役割を言いつけられる。朋子がパーティーを途中で抜け出して、駆け落ちをするので、その手助けをして欲しいというのだ。なんとかパーティー会場を抜け出した2人だったが、車の事故で朋子が怪我をしてしまう。奇跡的に(!)新幹線の発車時間までに東京駅に辿り着いた綾子だったが、新幹線の隣の席に座っていたのは、朋子の駆け落ち相手とは別の男性だった。一方、三女・珠美は朋子の婚約相手・牧田紘一に連れ出され…
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【読書】赤川次郎『紙細工の花嫁』

会社員の小田恭子は、先輩の松井見帆と付き合っているという噂の男性、梶原真一を見帆から奪い取って、見事ゴールインすることになった。一方、大学生の塚川亜由美のもとに、奇妙な手紙が舞い込んだ。紙細工の花嫁人形と共に、「女の怨みの深さを忘れるな。死がお前を訪れるだろう」と書かれた手紙が入っていた。しかし、その手紙は宛先違いで、梶原真一に宛てた手紙だった。亜由美と友人の神田聡子、部長刑事の殿永の3人は、小田恭子と梶原真一の結婚式に乗り込むが、新郎の席が爆破されるという騒ぎが起きてしまう。
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【読書】アレックス・パヴェージ『第八の探偵』

編集者のジュリア・ハートは、20年以上前に私家版として出版された短編集を、自分が勤める〈ブラッド・タイプ〉から出版するための打合せのため、作者のグラント・マカリスターを、地中海の小島に訪ねていった。その短編集には「ホワイトの殺人事件簿」というタイトルがつけられており、グラントがかつて数学雑誌に発表した『探偵小説の順列』という研究論文から生まれたものだった。この論文では、殺人ミステリを数学的に定義するというものだった。
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【読書】赤川次郎『沈める鐘の殺人』

高校で社会科を教える迎三千世は、一端個人的事情により教職を離れたのだが、急遽職が必要になり、鐘園学院で教鞭を執ることになった。鐘園学院は、私立の寄宿制の学校で、校庭の片隅には、大きな池と鐘楼が建っていた。二十年ほど前、泥棒が入って、鐘楼から鐘を持ち出そうとしたが、ハプニングが起きて、鐘は池の底へと沈んでしまっていた。
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【読書】赤川次郎『泥棒に手を出すな』

夜中に今野家の電話が鳴った。殺人と誘拐事件が発生したとのことで、妻で刑事の真弓が呼び出された。事件が発生したのは、犯罪組織の大物・村上家。殺害されたのは村上家の使用人・吉川だったが、誘拐されたのは、なんと村上家で飼っている犬だった。
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【読書】赤川次郎『百鬼夜行殺人事件』

前日、めでたく定年退職を迎えた若木明が、団地の中にある公園のベンチで、子供たちが遊ぶのを見ていると、ひとりの男の子が目の前で転んで泣き出してしまった。すると、それまでおしゃべりに夢中だった母親が飛んできて、若木を警察に突き出してしまう。なんとか誤解は解けたが、今度は男の子の父親が行方不明になってしまう。
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【読書】赤川次郎『恋ひとすじに』

滝田奈々子の11歳年下の妹・久美が、「彼と2人で幸せになります」と書き置きをして実家を飛び出した。その久美は奈々子の住むマンションに。「彼」とは、これから出会う男性を指していて、東京で暮らしたくて家を出てきただけだった。食事をした帰り道、2人は公園の池で溺れそうになっていた女性を助けることになる。
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【読書】赤川次郎『結婚記念殺人事件』

とあるレストランで、結婚式を挙げた記念に人を殺すという事件が発生。幸い、その日は仏滅だったため、挙式したカップルは少ないと思われたのだが、近くのホテルで結婚案内所が主宰した200組の合同結婚式が行われていた。
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【読書】赤川次郎『霧にたたずむ花嫁』

霧が出た夜道を帰宅していた仲間朋代は、後ろから着けてくる足音に気づいた。ハイヒールを脱ぎ、駆けだした先で朋代を助けてくれたのは、このシリーズのヒロイン・塚川亜由美の恋人・谷山だった。谷山と朋代が結婚することになったと聞いた亜由美は、死に場所を求めて山間の温泉地へと車で向かう。しかし、そこで待っていたのは亜由美の両親と、親友の神田聡子だった。
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【読書】赤川次郎『幽霊園遊会』

警視庁捜査一課の警部・宇野と、恋人で大学生の永井夕子は、大富豪・落合勇介のパーティーに参加します。勇介の55歳を祝うパーティーであると同時に、再婚を披露するパーティーだったのだが、落合勇介の双子の弟である圭介が勇介の命を狙っているという話が……そして、ワインセラーから落合の死体が見つかる。
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【読書】赤川次郎『三姉妹探偵団6 危機一髪篇』

佐々本三姉妹の次女・夕里子の恋人である、刑事の国友は、銀行強盗団のアジトへ踏み込んだ際、犯人の1人を殺害してしまう。その殺害した相手は、永吉倫三というヤクザのボスの息子だった。永吉は、自分が受けた苦しみを、国友にも味あわせようと、三姉妹のもとに、薬物を使う殺し屋と、ライフルを使う殺し屋を差し向ける。
├ 東川篤哉

【読書】東川篤哉『君に読ませたいミステリがあるんだ』

鯉が窪学園高等部に入学した"僕"は、文芸部の部室のドアを叩いた。中で待っていたのは、部長の水崎アンナ。しかし、そこは「文芸部」ではなく将来はプロとして作家デビューを目指す人の集団「第二文芸部」だという。と言っても、部員は部長のアンナただ1人。入部するかどうか悩む"僕"の前に、アンナは自作の学園ミステリの原稿を差し出した。
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【読書】赤川次郎『棚から落ちてきた天使』

人生には3度"モテ期"がやってくると言いますが、この作品の主人公、小田桐茂にとっては、今がその時期なのでしょうか。クラシック音楽の演奏会からの帰り道、偶然出会ったのが、今をときめくアイドルの細原ひかり。なんと、そのひかりに一目惚れされてしまうのです。とんとん拍子で進む小田桐とひかりの結婚話。会社員とアイドル。はたして、住む世界が違う2人の恋の行方は?
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【読書】赤川次郎『スクリーンの悪魔』

由利子、旭子、香子の後輩・久米ゆかりは、アメリカ映画の新作プレミアム上映会の会場でスカウトされた。断固反対していた父親が急に折れ、映画デビューすることになったゆかりだが、不安を感じるゆかりのために、由利子、旭子、香子の3人がエキストラとして参加することに。なんとか映画の撮影が開始されるが、ゆかりの父親の恋人・水田ルミが殺害されてしまう。
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【読書】赤川次郎『花嫁は三度ベルを鳴らす』

片瀬靖代は、夫・耕一と共に東ヨーロッパ旅行で訪れた、ルーマニアのトランシルバニアの山間にある村で、病に倒れた。夫と、妹の諸岡早紀らが見守る中、靖代が収められた棺は墓地に埋葬された。棺には墓標につけられたベルに繋がる紐がつけられていて、万が一死者が目覚めた時には、ベルを鳴らして知らせるのだという。
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【読書】赤川次郎『マドモアゼル、月光に消ゆ』

南条麗子とケンの娘・幸子の小学校の修学旅行の行き先を、父母会長である麗子が決めることになった。いつもなら、軽井沢や箱根に行くのだが、麗子の母・華代の思惑で、今年は「ドイツ旅行一週間」になってしまった。しかも、華代が主たる父兄のもとに「ドイツ行きに反対のお宅があるんですって!」と電話をかけまくったものだから、父母会では満場一致で採択されることに…こうして決行されたドイツへの修学旅行には、幸子の付き添いとして、麗子、ケン、華代、麗子の双子の妹・美知、美知の部下・大岡、お手伝いの春子。つまり、仕事で忙しい華代の夫以外の南条家の人々全員が、参加することになったのである。
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【読書】赤川次郎『モンスターの花嫁』

山の上の住宅地に住む並木教授のもとに、レポートを提出に行った塚川亜由美と神田聡子の2人だったが、並木教授の孫娘ルイが行方不明になってしまった。亜由美の愛犬ドン・ファンが、警察犬顔負けの活躍を見せて(亜由美に「可愛い女の子」と吹き込まれたためだが…)ルイを発見したときには、殴る蹴るの暴行を受けて気を失っていた。ルイに暴行した犯人として、住民たちの間では、近所に住む無口で近所づきあいをしない男性唐山の名前が挙がり、次第に私刑に繋がっていく。
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【読書】赤川次郎『いもうと』

高校2年生の北尾実加は、冷たい雨の中、母・治子が入院する病院に呼び出された。治子が病院を抜け出してしまったというのだ。病院の周りを探しに出た実加は、公園のベンチの上で凍えている治子を発見するが、心臓が弱っていた治子は帰らぬ人になってしまう。治子が病院を抜け出す直前、札幌に単身赴任している夫・雄一から、「浮気相手の内田祐子との間に子供ができた」と電話で告げられていた。これに猛反発した実加は、父に頼って生きていくことを辞め、高校卒業後に就職することを決める。
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【読書】赤川次郎『ふたり』

北尾千津子と実加は、同じ私立の女子校の高等部と中等部に通う姉妹。いつものように、一緒に家を出たふたりだったが、千津子が忘れ物を取りに帰ろうとしたところ、事故に巻き込まれて死んでしまう。姉の死から立ち直りかけた実加は、学校帰りにピアノの先生の家に向かうが、途中の道で男に襲われる。その時、頭の中で千津子の声がし、石が落ちている場所を教える。以来、実加は頭の中の千津子と会話をしながら、大小様々な問題に向き合っていく。
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【読書】赤川次郎『泥棒たちのレッドカーペット』

上田ルミは、夜逃げ同然に故郷を捨て、東京へ出てきた。スカウトから声がかかるのを期待して、東京の街を歩くが、そこに修学旅行生を乗せたバスが到着し、昔の友人・結城寿子と再会する。一緒にお茶をしたルミと寿子だったが、皮肉にもスカウトが目を留めたのは、寿子の方だった。一方、ルミは建設会社が大臣に取り入るための道具として、垣山大臣の元へ送り込まれる。