感想

├ 周木律

【読書】周木律『鏡面堂の殺人』

たった1人の家族である兄・司を亡くし、悲嘆に暮れる宮司百合子のもとに、血縁関係上の姉である善知鳥神から電話がかかってきた。呼び出されたのは、森林公園の中にある巨大な建築物〈鏡面堂〉。百合子はある人物による手記を手渡され、ここで26年前に発生した殺人事件の謎を解けと挑まれる。
├ 小路幸也

【読書】小路幸也『国道食堂 1st season』

小田原市から甲府市へ抜ける裏ルート・国道517号線上にある〈国道食堂〉。どの料理もうまいが、この食堂の名物は、なんといっても店の真ん中に鎮座するプロレスのリング。週末の夜には、そこでプロレスや音楽ライブなどが催されている。この地域に転属された配置薬のルート営業マンである二方将一は、さっそく〈国道食堂〉の常連になる。
▼著者 ハ行

【読書】福田和代『侵略者(アグレッサー)』

自衛隊による演習中、突然レーダーに現れた航空機によって、2機の自衛隊機が撃墜されてしまった。撃墜された航空機から脱出したクロウこと深浦紬三等空佐と、カイトこと安田直人一等空尉は、ボートに助け上げられたが、気がつくと船の1室に監禁されていた。
└ 中山七里

【読書】中山七里『翼がなくても』

陸上短距離を走る市ノ瀬沙良は、幼馴染みで隣の家に住む相良泰輔が起こした交通事故により、左脚の膝から下を切断することになってしまう。沙良は所属していた実業団を退職。パラリンピックを目指す道を選択する。そんな矢先、泰輔が自室で何者かに刃物で刺されて殺害される事件が発生する。
├ 伊坂幸太郎

【読書】伊坂幸太郎『ホワイトラビット』

誘拐をビジネスとしているグループの経理を担当している女性が、グループの金を別の口座に移してしまった。女性はどうやら、”オリオオリオ”にそそのかれたらしい。そのグループに属する兎田孝則は、妻を人質に取られて、オリオオリオを見つけ出すように命じられるが、オリオオリオを追いかけて侵入した家に、立てこもることになってしまう。
├ 濱嘉之

【読書】濱嘉之『警視庁情報官 サイバージハード』

秋葉原駅前に設置された銀行ATMのプログラムが不正に書き換えられ、多額の現金が奪われた。ATMのシステムには、上海のサーバーを経てアクセスされていることが突き止められた。欧米のATMでも、同様の事件が発生する。万世橋警察署長の黒田純一は、警察庁長官特命捜査主任官を兼務し、世界規模のサイバーテロに立ち向かう。
├ 島本理生

【読書】島本理生『ファーストラヴ』

テレビ局アナウンサーへの就職にチャレンジしている聖山環菜は、2次面接で失敗したあと、父で画家の聖山那雄人が勤める美術学校へ行き、包丁で刺し殺してしまう。テレビにも出演する臨床心理士の真壁由紀は、環菜のことを本にしないかと持ちかけられる。さらに、環菜の国選弁護人として、由紀の義弟・庵野迦葉が弁護を担当することになる。
├ 小路幸也

【読書】小路幸也『花咲小路三丁目北角のすばるちゃん』

高校を卒業した麦屋すばるは、父が遺した花咲小路商店街にある駐車場を受け継いだ。父は亡くなってしまったが、駐車場の看板代わり、事務所兼居住空間の赤いシトロエンのバンに魂が乗り移っていて、ラジオを通して話し合うことができる。トランクに人を乗せた車が駐められたり、母親がパチンコに行っている間に子供が駐車場に帰ってきてしまったり…新人経営者は今日も大忙し。
▼著者 サ行

【読書】雫井脩介『検察側の罪人』

蒲田で老夫婦が殺害される事件が発生した。殺害された男性は、競馬仲間らに金を貸しており、その中に23年前に発生し、時効となった少女殺害事件の重要参考人・松倉重生が含まれていた。少女の両親が管理人を務めていた寮に学生時代住んでいた検察官の最上毅は、松倉を今度こそ法の下で罰するため、執拗に責め立てる。
├ 秋吉理香子

【読書】秋吉理香子『暗黒女子』

聖母女子高等学院文学サークルを復活させ、会長に就いた白石いつみが、新館校舎テラスから転落して死亡した。いつみの手には、スズランの花が握られていた。いつみの死後に開かれた定例会では、闇鍋を食べながら、会員が1人ずついつみの死をテーマにして執筆した短編小説を朗読していくことになった。
├ 濱嘉之

【読書】濱嘉之『警視庁公安部・青山望 爆裂通貨』

ハロウィンの仮装をした人々で賑わう渋谷のスクランブル交差点を、スーパーマリオの仮装をした集団が4列になって行進した。マリオに扮した集団が、文化村通りと道玄坂方面へ消えたあと、12ヶ所のATMが襲われ、あとには4人のマリオに扮した男の銃殺体が残されていた。さらに、ハワイでも同様の事件が発生する。
├ 下村敦史

【読書】下村敦史『失踪者』

真山道弘は、樋口友一とともにシウラ・グランデ峰の西壁を極めようとしていたが、吹雪に見舞われ、結果的に樋口はクレバスへ転落してしまった。10年後、真山はふたたびシウラ・グランデ峰を訪れ、樋口の遺体を発見するが、その顔は、真山が最後に見た樋口のそれよりも老けていた。さらに、所持品の中には、5年前に発売された装備が混じっていた。
├ 小路幸也

【読書】小路幸也『レディ・マドンナ』

『雪やこんこあなたに逢えた』東京の下町にある古本屋〈東京バンドワゴン〉に、変わった客が現れた。現代作家の作品が並ぶ棚の同じ場所から、十数冊まとめて買っていくのだ。さらに、状態の良い古書を、1冊ずつ買い取りに持ち込む客も…彼らは何者で、何が目的なのか?
├ 歌田年

【読書】歌田年『紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人』

"紙鑑定士"の渡部圭の事務所に、"神探偵"と間違えた米良杏璃が、カレシの浮気の相談にやってきた。杏璃のカレシが捨てた財布の中から見つかった紙片から、カレシが外国人パブに入れ込んでいることを突き止めた渡部だが、今度は杏璃から、妹が行方不明になっているという曲野晴子を紹介される。
▼著者 ア行

【読書】安生正『生存者ゼロ』

根室沖に浮かぶ石油掘削プラットフォームからの連絡が絶たれた。嵐の中プラットフォームへ降り立った陸上自衛隊の廻田三佐は、職員全員が死亡しているのを発見する。感染症学者の富樫は感染源の究明にあたるが、同業者からの抵抗を受けている内に、北海道本土で同じ悲劇が繰り返されてしまう。
├ 濱嘉之

【読書】濱嘉之『警視庁情報官 ブラックドナー』

警視庁企画課情報室長の黒田純一は、恋人の草野遙香とのハワイ旅行中、体調不良とされていた極盛会組長・宝田宗則を発見する。宝田は入国できないはずのアメリカで、肝臓の移植手術を受けていた。帰国した黒田は、臓器密売ルートを暴くため、自らフィリピンのマニラへ飛ぶ。さらに、部下をアメリカと中国へ向かわせ、一連の闇を白日の下にさらす。
├ 大倉崇裕

【読書】大倉崇裕『冬華』

月島で便利屋をしている倉持と、3ヶ月前から一緒に仕事をしていた深江が、何も言わずに姿を消した。倉持は心あたりをあたって、深江が奥穂高岳へ向かったと確信する。一方、1人で山小屋で暮らして猟をしている植草は、熊本と名乗る人物から、人を撃って欲しいと依頼される。
├ 小路幸也

【読書】小路幸也『スタンダップダブル!』

北海道にある公式戦未勝利校・神別高校野球部に、双子の青木健一、康一兄弟、キャッチャー・村上信司のセンターラインを中心とする、守備のチームができあがった。監督は、元甲子園球児で、現役の実業団野球選手だった田村敏幸。そして、青木兄弟らを中学の頃から追いかけていた新聞記者の前橋絵里は、偶然山路という男性と知り合うが、山路は田村とバッテリーを組んで甲子園に出場した人物だった。
├ 貴志祐介

【読書】貴志祐介『狐火の家』

西野真之の娘・愛美が自宅の中で殺害された。死亡推定時刻は、真之が発見する30分前、プラスマイナス30分。自宅が密室状態だったこともあり、第1発見者の真之が参考人として事情を聞かれる。地元弁護士から依頼を受けた弁護士の青砥純子は、防犯コンサルタントの榎本径とともに、密室の謎に挑む。
└ 森博嗣

【読書】森博嗣『情景の殺人者』

探偵事務所長の小川令子が俳優の草元明美と浮気調査の契約を結んだ日、明美が稽古場の裏の駐車場で殺害された。積もった雪に広がる血痕。実は、過去にも雪の上に血痕を残して女性が殺害された事件が2件発生していたという。
├ 島本理生

【読書】島本理生『よだかの片想い』

前田アイコの左目の下から頬にかけては、生まれつきのアザがある。常に他人の目を気にしながら生活してきたこれまでの人生。そんなアイコに、顔にアザや怪我がある人に対するインタビューの話が持ちかけられる。承諾したアイコには、本の表紙になって欲しいというお願いまで…さらに、その本を原作にした映画の制作が決まる。監督は飛坂逢太。研究一筋で大学院博士前期課程まで進んだアイコは、飛坂に初恋の想いを抱く。
├ 周木律

【読書】周木律『教会堂の殺人』

X県の山奥に"狂気の建築家"沼四郎が建てた教会堂。その側を流れる川の下流で、数学者の小角田雄一郎の水死体が見つかった。さらに新聞記者の脇宇兵の焼死体が発見される。さらに、第2、第3の被害者まで…教会堂にはトラップが仕掛けられており、自分が死んでもう1人を助けるか、自分が生き残ってもう1人を犠牲にするかの2択を迫られることになっていた。
▼著者 カ行

【読書】小島正樹『武家屋敷の殺人』

弁護士の川路弘太郎は、孤児院で育った静内瑞希から、生家を探して欲しいという依頼を受ける。手がかりは、瑞希が孤児院の前に置かれたときに一緒に置かれていた伯父からの手紙と日記、母と祖母らしき写真の3点。川路と友人の那珂邦彦は、瑞希の生家を発見することに成功するが、新たな殺人事件が発生してしまう。
├ 濱嘉之

【読書】濱嘉之『警視庁公安部・青山望 一網打尽』

文子と入籍した青山望は、京都旅行の最中、祇園祭見物中に銃撃事件に出くわした。コリアンマフィアとチャイニーズマフィアの抗争と見られたが、その背後には北朝鮮も含めたサイバー犯罪の影があった。半グレ集団や芸能ヤクザなど、広く根を張る問題に、青山ら同期カルテットが挑む。