感想

├ 小路幸也

【読書】小路幸也『テレビ探偵』

バンドとして伸び悩んでいた〈ザ・トレインズ〉は、土曜日夜8時に生放送のコント番組『土曜だ!バンバンバン』を担当することになった。その生放送中、ドラマ『スパイハンター』のアクションスター・石垣剛がキャットウォークからロープを伝って降りるシーンで、ロープが切れて転落してしまった。〈ザ・トレインズ〉の付き人の葛西チャコが切れたロープの断面を見ると、刃物で切り込みを入れられた跡が…
├ 濱嘉之

【読書】濱嘉之『警視庁公安部・片野坂彰 国境の銃弾』

韓国からの観光客で賑わう対馬の展望台で、観光客から少し離れたところで電話に耳を寄せていた3人の男が、1発の銃弾で銃殺された。使用された銃弾は威力の高いファインセラミック製。警視庁公安部特別捜査班の片野坂彰ら3人は、情報を求めて動き出す。
└ 近藤史恵

【読書】近藤史恵『カナリヤは眠れない』

雑誌社に勤める小松崎雄大は、金銭感覚が狂ってしまってカード破産を迎えようとしているような女性の特集を担当することになった。首を寝違えてしまった雄大は、偶然知り合った女性が勤める接骨院を紹介されるが、そこは雑居ビルの屋上だった。腕はピカイチだが、偏屈で変わり者の院長の合田。その前に、カードで身を滅ぼそうとしかかっている女性が現れるが、合田は彼女にただならぬ気配を感じる。
└ 方丈貴恵

【読書】方丈貴恵『アミュレット・ホテル』

ホテルに損害を与えないこと、ホテルの敷地内で傷害・殺人事件を起こさないこと。この2つのルールさえ守れば、ルームサービスでピッキングツールや拳銃の弾丸を依頼しても応えてくれる、犯罪者御用達のホテル〈アミュレットホテル〉で殺人事件が発生した。しかも、犯罪が起きた部屋は密室。ホテル専属の探偵・桐生はさっそく密室の謎の解明と犯人探しに取りかかる。
├ 有栖川有栖

【読書】有栖川有栖『双頭の悪魔』

身近な人が巻き込まれた事件で心に傷を負ったマリアは、四国の山奥にある村に辿り着いた。そこは、廃村を買い取り、芸術家たちが暮らす村だった。実家ともほとんど連絡を取ろうとしないマリアを心配して、推理小説研究会の有栖川有栖や江神二郎たちは、マリアが滞在する村を訪れるが、村の入口の橋で追い返されてしまう。そして、橋の向こう側とこちら側で、殺人事件が発生してしまう。
├ 濱嘉之

【読書】濱嘉之『院内刑事 ブラック・メディスン』

廣瀬知剛がリスクマネジメント担当顧問を務める川崎殿町病院の内蔵外科医師・藤田幹夫が、大手製薬会社から多額の賄賂を受け取っていることが発覚する。また、川崎殿町病院のコンピュータを狙って、中国と北朝鮮からサイバー攻撃を受けていることがわかる。
├ 小路幸也

【読書】小路幸也『ラブ・ミー・テンダー』

児童養護施設で暮らす鈴木秋実は、同じ養護施設で育ってアイドルになった冴季キリから、好きな人ができて駆け落ちしたいけど、見つかったら殺されるとの電話を受け、キリの事務所に忍び込もうとしたところを見つかったしまった。事務所の血の気の多い連中に取り囲まれた秋実を助けたのが、バンド〈LOVE TIMER〉のヴォーカル・我南人だった。
├ 横関大

【読書】横関大『ホームズの娘』

都内で飲食店を経営している金子隆志の妻・育美が殺害された。浮気がバレた隆志は育美から離婚を切り出されており、容疑者として隆志の名前があがったが、隆志には完璧なアリバイがあった。事件は、警視庁の刑事・北条美雲の推理で無事解決したが、犯人はモリアーティと名乗る人物から、インターネットで犯行方法を買ったと言う。そのモリアーティから、美雲とその先輩刑事・桜庭和馬に挑戦状が叩きつけられる。
├ 下村敦史

【読書】下村敦史『生還者』

増田直志の兄・謙一が、ヒマラヤ山脈の未踏峰・カンチェンジュンガ登頂中に、雪崩に巻き込まれて死亡した。兄の遺品を確認していた直志は、ザイルの切断面に刃物で切られたあとを発見する。その雪崩から生還した高瀬正輝は、謙一と同じ登山隊の加賀谷善弘に助けられたと証言する。一方、謙一と同じ登山隊で、奇跡的に生還した東恭一郎は、加賀谷は登山隊を見捨てた卑怯者だと言う。
├ 三上延

【読書】三上延『ビブリア古書堂の事件手帖IV ~扉子たちと継がれる道』

戦中、川端康成や久米正雄、高見順ら鎌倉文士が立ち上げた貸本屋〈鎌倉文庫〉。ここには、夏目家が寄贈した漱石の初版本なども並んでいたというが、千冊あったと言われる貸出本も、発見されたのは数冊で、残りは行方不明になっている。昭和、平成、令和のビブリア古書堂の娘たち、智恵子、栞子、扉子は、残りの鎌倉文庫の貸出本の行方を捜すことになる。
├ 濱嘉之

【読書】濱嘉之『ヒトイチ 内部告発 警視庁人事一課監察』

青信号の交差点を渡っていた女子大学生が、車にはねられるという事故が発生した。ドライバーはそのまま現場を立ち去ったが、事故を起こしたかもしれないと、女性が出頭してきた。一方、事故車両の所有者は交通部長の時枝雄一郎で、Nシステムに記録された時に運転していたのは、息子の公一警部補だった。
├ 早坂吝

【読書】早坂吝『殺人犯対殺人鬼』

職員がいなくなった夜、孤島に建つ児童養護施設で暮らす網走は、剛竜寺翔を殺害するために部屋へ行ったが、すでに剛竜寺は殺害されたあとだった。翌朝、剛竜寺の死体が見つかるが、嵐のため職員はまだ帰ってこれない。探偵気取りの探沢ジャーロが捜査を開始するが、第2、第3の被害者が出てしまう。
├ 貴志祐介

【読書】貴志祐介『ミステリークロック』

ミステリー作家・森怜子が所有する、人里離れた山荘に、弁護士の青砥純子と防犯コンサルタントの榎本径が招待された。晩餐会の後、明朝〆切りの仕事があると言って中座した怜子が、仕事部屋で殺害されてしまった。夫の時実玄輝は、この中に殺人犯がいるとして、犯人探しをはじめる。
└ 中山七里

【読書】中山七里『有罪、とAIは告げた』

日中技術交流の一環として、東京高裁に中国が開発した「AI裁判官」を導入することになった。過去に書いた判決文と習慣を入力すると、その裁判官の判決を再現できるという。そんな時、18歳の少年が飲んだくれの父親をめった刺しにして殺害するという事件が発生した。この事件を「AI裁判官」に裁かせると、死刑という判決が出た。
├ 赤川次郎

【読書】赤川次郎『幽霊健診日』

警視庁捜査一課の宇野喬一警部が、女子大生の永井夕子とのデート中に気を失い、病院に搬送された。幸いすぐに意識を取り戻したが、翌朝、病院の休憩所で医師の神林早百合が殺害されてしまう。
├ 濱嘉之

【読書】濱嘉之『院内刑事』

福岡から東京へ向かう飛行機の中で、財務大臣の朝野が脳梗塞を発症した。幸い、処置が早かったため一命をとりとめたが、病理検査で血圧の昇圧剤が検出された。特命を受けた秋元誠一郎は1人福岡へ飛び、朝野に昇圧剤を飲ませた人物の捜査を行う。
├ 小路幸也

【読書】小路幸也『ロング・ロング・ホリディ』

札幌にある喫茶店〈D〉で働きながら、大学に通うコーヘイ。そのコーヘイのもとを、5歳年上の東京で働く姉が訪ねてきた。しばらく、コーヘイの家に滞在させてほしいのだという。仲の良いバイト仲間や常連客たちの間に、小さな変化が積み重なっていく。
└ 中山七里

【読書】中山七里『境界線』

浜辺で女性の遺体が見つかった。女性が所持していた免許証の名前と住所は、7年前の津波で行方不明となった苫篠刑事の妻・奈津美のものだった。さらに、津波で行方不明となっている男性の住民票を使った免許証と社員証を所持した男性の遺体が発見される。男性は、ナイフで刺されたのち、顎を砕かれ、手の指を切断されていた。
├ 濱嘉之

【読書】濱嘉之『プライド2 捜査手法』

現場一筋でやってきた本城清四郎は、組織犯罪対策部でコールドケース、未解決事件を担当することになる。大学卒業後、順調に昇任試験に合格して警視庁警視になった高杉隆一、東大卒業後キャリアとして警察庁入庁後、警察庁警視正になった大石和彦。父親が田園調布署管内の駐在所で働く幼馴染みで同級生の3人は、ヤクザと政治家、そして新興宗教団体が絡む事件に挑む。
▼著者 ア行

【読書】太田愛『犯罪者』

駅前広場で、男女5人が刺され、4人が死亡するという通り魔殺人事件が発生した。犯人は、近くのビルの共同トイレで、急性薬物中毒で死亡しているのが発見された。一方、前年の12月中旬から翌年1月中旬までの間、顔の組織が壊死するというメルトフェイス症候群が発生。罹患者は月齢7ヶ月から9ヶ月の乳幼児に限られ、全国9都市で124名の患児を出した。
├ 島田荘司

【読書】島田荘司『異邦の騎士』

"私"は、公園のベンチで目覚めたが、過去の記憶が一切残っていなかった。街を歩いているうちに、石川良子という女性と知り合い、石川啓介を名乗って良子と同棲しはじめるが、引き出しの中から啓介の免許証を見つけてしまう。そこには、住んでいたアパートの住所と、益子秀司という名前が書かれていた。免許証に書かれていたアパートから辿っていくと、そこには驚くべき過去が隠されていた。
├ 東川篤哉

【読書】東川篤哉『博士はオカルトを信じない』

妻が所長を務める探偵事務所で働く父・登に連れられて、中学生の丘晴人は、父の恩人の宮国年雄の娘・美和子の見舞いに訪れる。美和子は不調の原因が見当たらないのに、ベッドから起き上がれないでいた。それを祟りだという年雄の義姉・坂口雅江がお祓いをすると、美和子の口から亡くなった母の声が飛び出し、症状が改善した。後日、晴人はひょんなことから訪れた〈ひらめき研究所〉の所長・暁ヒカルにこの時の体験を話す。
├ 小路幸也

【読書】小路幸也『ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード』

『春 花も嵐も実の生る方へ』古書店〈東京バンドワゴン〉が、かつて1度だけ作ったことがある目録、通称〈呪いの目録〉のことを探って回っている男がいると、東京古本組合の大沼岩男が教えに来てくれた。一方、亜美の義妹で女優の折原美世が、役作りのために蜷川女子大学で見た資料の中に、〈東京バンドワゴン〉創設者の堀田達吉の名前があったのだが、その資料が紛失してしまったという。
├ 大倉崇裕

【読書】大倉崇裕『犬は知っている』

笠門達也巡査部長は、ファシリティドッグのピーボと共に病院を訪問し、動物介在療法を行うことを仕事にしている。特に、刑務所や拘置所から重病を患って入院してきた患者から本音を聞き出すことも重要な役割だ。今回ピーボが話を聞いたのは、大腸がんで余命半年と診断された強盗犯の橋本金治。橋本はピーボに、1度だけ殺人の現場を見たことがあると話しかける。