感想

├ 小路幸也

【読書】小路幸也『ヒア・カムズ・ザ・サン』

古書店〈東京バンドワゴン〉で、夜の内に書架の本が数冊床に落ちるということが発生する。さらに、女性陣が白い幽霊を見たという。一方、遺品整理をしていたら、〈東京バンドワゴン〉の値札が貼られた古書が出てきたと言って、男性が訪ねて来た。
├ 一色さゆり

【読書】一色さゆり『神の値段』

マスコミはおろか、ギャラリーのスタッフの前にも顔を出さない現代画家・川田無名。この謎の画家の作品を一手に扱うギャラリーのオーナー・永井唯子が、ギャラリーが持つ倉庫の中で首を絞められて殺害された。スタッフの田中佐和子は、生前唯子が香港のオークションに出品しようとしていた無名の1959年の作品を、彼女の遺志どおりに販売するため、唯子の代役となって身を粉にして働くが…
└ 米澤穂信

【読書】米澤穂信『栞と嘘の季節』

図書委員の堀川次郎がカウンターの当番をしているときに、『薔薇の名前』という本の下巻が返却箱に入れられた。返却された本の間に忘れ物がないか確認していたところ、押し花をラミネート加工した栞が挟まれていた。その花を見て、同じく図書委員の松倉詩門は、トリカブトの花であることに気づく。さらに、生徒指導部の横瀬がトリカブトの毒の症状で救急搬送される。
├ 濱嘉之

【読書】濱嘉之『ヒトイチ 警視庁人事一課監察係』

警視総監宛に、新宿署の組対課長代理が反社会的勢力と不適切な関係にあるとの内部告発があった。警察官の非行事案を摘発する監察係の係長・榎木博史は、さっそく内部告発文書に名前があった三田村陽一の周囲を丸裸にしていく。三田村は総監賞を複数回受賞するほどの人物であったが、暴力団花牧組との関係が明らかになっていく。
├ 小路幸也

【読書】小路幸也『国道食堂 2nd season』

小田原市から甲府市へ抜ける裏ルート・国道517号線沿いにある〈国道食堂〉。元プロレスラーの本橋十一が店主を務めるこの店の真ん中には、プロレスのリングが鎮座しており、週末の夜には、そこでプロレスや音楽ライブなどが催されている。常連客でプロレス好きの久田亜由は、会社の先輩・篠塚洋人とこのリングの上で結婚式を挙げることを決める。
├ 歌田年

【読書】歌田年『紙鑑定士の事件ファイル 偽りの刃の断罪』

コスプレを趣味にする男性・張本善浩が自宅で殺害された。窓ガラスをハンディ・バーナーで焼き切られ、自宅の一部も焼かれていた。警察は、かつて三角関係にあった春美真久を容疑者として取り調べるが、神奈川県警の石橋和男刑事は、かつてから面識のある春美の犯行には思えないという。
├ 水原秀策

【読書】水原秀策『裁くのは僕たちだ』

高尾慎一は、衆議院のマドンナ・藤沢杏子が夫を殺害したとされる裁判の裁判員になった。高尾が公園のベンチに座っていると、となりに若い女性が座り、突然、無罪と主張するために金銭を寄こせと要求するのは卑劣だと糾弾された。注目の高い裁判だけに、裁判員を買収しようとする動きが実際にあるらしい。高尾は自分の信念に基づいて、真偽を見極めようとするが…
▼著者 カ行

【読書】[オススメ]小坂流加『余命10年』

この病気にかかって、10年以上生きた人はいない。 残された寿命は10年。あなたは短いと思いますか?それとも長いと思いますか?実際に難病に冒された著者が、余命を注ぎ込んで書き上げた1冊。あなたは余命が10年と宣告されたら、何をしますか?何がしたいですか?命というものを改めて考えさせられる、涙腺崩壊必至の作品。
├ 新川帆立

【読書】新川帆立『倒産続きの彼女』

弁護士の美馬玉子が勤める弁護士事務所は、倒産の危機にあるアパレルメーカーのゴーラムの対応を行っていた。そこに、経理部の近藤まりあが勤める会社がこれまで3社すべて倒産しているとの通報が寄せられた。玉子は、先輩弁護士の剣持麗子と共に、怪文書への対策にあたる。
▼著者 ア行

【読書】小川哲『君のクイズ』

生放送のクイズ番組『Q-1グランプリ』。7点先取の決勝戦は6対6で最終問題にもつれ込んだ。三島玲央が対する本庄絆は、問題が読まれる前に早押しボタンを押し、正解を導き出した。これはやらせなのか?三島は本庄との対決を振り返る。
├ 赤川次郎

【読書】赤川次郎『暗殺』

入試の日の朝、工藤麻紀は大学の最寄り駅で、竹内貞夫が射殺されるのを目撃するが、試験開始に間に合わないと思い、その場を立ち去る。その後、麻紀が見たのと別人が犯人として逮捕されるが、きっかけを失った麻紀は、警察に目撃証言を行えずにいた。一方、温泉旅館で仲居として勤める佐伯芳子のもとには、10年前に別れた竹内から、少女の服が届けられていた。
├ 濱嘉之

【読書】濱嘉之『オメガ 対中工作』

警察庁諜報課の榊冴子は、ヘリコプターや戦車から銃まで、中国がロシア製をコピーして製造した武器が、パキスタンを経由してアフリカへ流れていることに着目した。一方、岡林が立ち上げた中国での真珠養殖事業が軌道に乗り始め、利益を生み始めていた。
├ 小路幸也

【読書】小路幸也『花咲小路二丁目の寫眞館』

フォトグラファーの桂樹里は、学校を出てすぐに〈久坂寫眞館〉に就職した。現社長の久坂重も写真を撮ることはできるのだが、人物写真を撮ると、見えないものが写ってしまうのだという。そんな重が試しに動画を撮ってみると、樹里ともども過去へタイムスリップしてしまった。このタイムスリップには、どんな意味が隠されているのだろうか?
├ 貴志祐介

【読書】貴志祐介『鍵のかかった部屋』

高校生の高澤大樹が練炭自殺を図った。偶然高澤家を訪れていた叔父の会田愛一郎は、サムターン回しを得意とする空き巣狙いだったが、5年間の懲役を経て出所してきたばかりだった。大樹の部屋にかけられたサムターン錠を愛一郎が特技で解錠し、部屋の中へ入ったが、ドアや窓にはテープで目張りがされており、完全な密室状態だった。会田は旧知の仲である防犯コンサルタントの榎木径に紹介され、弁護士の青砥純子に相談を持ちかける。
├ 横関大

【読書】横関大『ルパンの娘』

図書館で勤務する三雲華は、交際相手である桜庭和馬の実家に連れて行かれた。しかし、公務員としか聞かされていなかった和馬の職業は刑事。さらに、祖父母に両親、妹まで全員警官の警察一家だった。実は、華の家族は泥棒一家。交わることを許されない禁断の恋に、華は苦悩する。
├ 秋吉理香子

【読書】秋吉理香子『自殺予定日』

母を亡くし、父を亡くした女子高生の渡辺瑠璃は、父を殺した継母のれい子を告発するために、自殺の名所になっている山奥で首を吊ろうとするが、枝が折れて失敗してしまう。そこに現れたのが、幽霊の裕章。裕章は、期限をつけてれい子の殺害の証拠を見つけようと提案する。こうして、瑠璃の自殺予定日が、6日後に設定された。
├ 湊かなえ

【読書】湊かなえ『告白』

「愛美は事故で死んだのではなく、このクラスの生徒に殺されたからです」終業式の日のホームルームで、担任の森口悠子が生徒たちの前で衝撃の告白を行った。森口の4歳の愛娘・愛美は、1ヶ月前に学校のプールに浮いているのを発見された。視点を、被害者の母親、クラスメイト、加害者の家族、加害者と入れ替えながら、事件の細部を明らかにしていく。
├ 小路幸也

【読書】小路幸也『オール・ユー・ニード・イズ・ラブ』

下町の古書店〈東京バンドワゴン〉に、脚本家の岸田安見がやってきた。偶然にも、安見は近所に住む増谷裕太の、高校の同級生だった。その安見が、フェアとして並べていた川田鉄の作品をすべて欲しいと言う。一方、小学生の名塚のぞみが、本を売りたいとやってくる。勘一は、本は買い取らずに、親への手紙と百円をのぞみに渡す。我南人がのぞみのあとをつけると、コンビニでお菓子を買ったあと、寒い公園で1人本を読んでいたという。
├ 濱嘉之

【読書】濱嘉之『警視庁情報官 ノースブリザード』

平壌放送の暗号放送が、頻繁に乱数表を変えていることをキャッチした。日本国内に新たな指揮系統ができていることを予測した警視庁情報局の黒田らは、捜査を開始する。さらに、日本企業に対する中国や北朝鮮からのサイバー攻撃も活発になり、新たな防衛体制が必要となる。
├ 下村敦史

【読書】下村敦史『コープス・ハント』

女性8人の連続殺人の罪で死刑判決を受けた浅沼聖悟は、判決を聞き終えたあと、1人は俺の犯行じゃない。真犯人のうちの1人は、俺が殺して思い出の場所に隠したと叫んだ。浅沼が名指しした水本優香の事件で、別の3人に目をつけていた刑事の折笠望美は、再び動き出す。一方、中学校に馴染めず、ユーチューバーとして成功を目指している福本宗太は、人気ユーチューバーのにしやんから、遺体探しの企画を持ちかけられる。
▼著者 ア行

【読書】乾緑郎『完全なる首長竜の日』

漫画化の和淳美は、15年続いた連載が、新編集長の方針の下、打ち切りとなってしまう。その淳美には、自殺未遂を図って植物状態になった弟の浩市がいたが、植物状態になった患者とコミュニケーションがとれる〈SCインターフェース〉を介してセンシングを続けていた。しかし、浩市はいつも自殺という方法を用いて一方的にセンシングを終了してしまう。
▼著者 サ行

【読書】塩田武士『罪の声』

大日新聞文化部の阿久津英士は、年末企画『ギン萬事件――31年目の真実――』の担当として、社会部に借り出される。ギン萬事件は、かつて日本を震撼させた食品会社脅迫事件だが、迷宮入りのまま時効を迎えていた。一方、京都でテーラーを営む曽根俊也は、自宅で古いカセットテープを見つける。テープに吹き込まれていたのは俊也の子供の時の声で、ギン萬事件で犯人が使用した音声だった。
├ 小路幸也

【読書】小路幸也『スタンダップダブル! 甲子園ステージ』

北北海道代表として甲子園に出場した神別高校のナインの多くは、今は閉園となってしまった児童養護施設・そよ風学園で野球を学んだ。地区大会から快進撃を続ける神別高校に、暴力団が関係する黒い影が…双子の兄弟、青山健一、康一の父である、元暴力団組員で前科を持つ山路蓮と、新聞記者の前橋絵里は、ライターの潮崎からの揺さぶりに対抗するため、ルポライターの西島馨の力を借りて策を練る。
├ 濱嘉之

【読書】濱嘉之『オメガ 警察庁諜報課』

警察内部ですら、その実体をほとんど知られていない組織、警察庁長官官房諜報課。この北京支局に勤める榊冴子は、人民解放軍の配下にある麻薬精製工場の破壊を命じられる。同僚の土田は、同時に麻薬の搬入もとである北朝鮮の施設の破壊を試みるが…