【読書】赤川次郎『帰るには遠すぎて』
柳沢将夫は、単身赴任先から8年ぶりに我が家に帰ることに。バスや列車の乗り継ぎが悪く、国内だというのに東京の自宅まで2時間もかかるという僻地。バスで駅まで出るところまでは順調だったものの、列車に乗ろうとすると、まず、喫茶店を経営する野上宗和の妻・早苗が「夫の暴力に耐えられなくなった」と言って、東京まで着いてくると言い出した。さらに、走りはじめた列車には、柳沢のために編んだセーターを手渡そうと、高校1年生の泉佐知子が乗り込んでいた。佐知子も、これが東京に出る最後のチャンスと、東京まで着いていくのだと言う。