【読書】有栖川有栖『孤島パズル』

有栖川有栖 学生アリスシリーズ ├ 有栖川有栖

有栖川有栖さんの『孤島パズル』を読みました。

あらすじ

英都大学推理研の江神二郎と有栖川有栖(アリス)は、有馬麻里亜(マリア)の祖父が建てた別荘のある孤島・嘉敷島へ宝さがしに行くことになる。
嘉敷島には木彫りのモアイ像が25体立っており、それが秘密を解く鍵なのだという。
3年前、マリアの従兄・英人が謎が解けたことをほのめかしたあと、夜の海で溺死していた。
さらに、アリスらが嘉敷島へ上陸した日の夜、同じく嘉敷島を訪れていた牧原完吾と、その娘・須磨子がライフルで狙撃されて死亡する。

感想

国会図書館の蔵書検索によると、1989年に刊行された作品だそうです。
先日読んだ鮎川哲也さんの『リラ荘殺人事件』と比べると、30年くらい新しい作品ですが、やはりここ10年、20年の作品と比べると、古めかしさを感じます。
しかし、そんなことを忘れさせてくれるくらい、ぐいぐいと惹きつけられるあたりが、名作と言われる所以でしょうか。

1つめの殺人事件が起きたあと、この人が犯人なのかな?と思った人物がいたのですが、その後に起きる事件を見ていると、だんだんと自信がなくなってきて…

そして、江神による謎解きが始まる前に、「読者への挑戦」というキザな1ページが挟まれるところが、この時代の作品なのかなぁと。
しかも、その中で、直感ではなく推理によって犯人を特定することができるはずだ、と書かれているのですから、直感での犯人当てしかしていない私は、悔しくて、悔しくて…

犯人を見つける手がかりはそこにあったのかぁと感心させられましたが、犯行の方法に関しては少し納得がいかない部分も。

マリアの祖父が残した宝さがしに関しては、途中までアリスたちの1歩先を行っていたのですが、終盤のところで置いて行かれてしまいました。
連続殺人が起きている中で、宝さがしをどう継続させるのかという点に興味がありましたが、うまく動機づけしているなぁという印象を受けました。

コメント

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