大倉崇裕さんの『福家警部補の追及』を読みました。
あらすじ
『未完の頂上』
元登山家の狩義之は、未踏峰チャムガランガ登頂を目指す息子・秋人の大口スポンサーである中津川威彦がスポンサーを下りようとしていることを知り、重役会議が開催される前に中津河を殺害する。
登山中にガレ場から滑落したと見せかけるが、その死に疑問を抱いたのが、警視庁捜査一課の福家警部補だった。
感想
「福家警部補シリーズ」の第4弾です。
いかに犯人を追い詰めていくかを楽しむこのシリーズに、ぴったりのタイトルではないでしょうか。
今回も福家が超人っぷりを見せてくれます。
数日の徹夜はいつものことですが、ゴルフのスイングをアドバイスしたり、プロ級のクライミング技術を披露したり…
これまでは、ちょっとマニアックなところが目立っていましたが、今回はプロスポーツとしても成り立っている分野での活躍。
この人はどれだけの知識、技術を蓄えているんだろうと、怖くなってしまいます。
いつものことながら、犯行シーンから始まる倒叙形式の作品。
キレッキレの推理で犯人を追い込んでいくのではなく、徐々に良心に訴えかけるようにして追い込んでいくスタイルにようやく慣れてきました。
最後に犯人を挙げることはわかっているのに、ちょっとヒヤヒヤする展開がたまりません。
その他、『幸福の代償』が収められています。
『幸福の代償』
ペットショップを経営する佐々千尋は、弟で犬を商売の道具としてしか考えない悪徳ブリーダーの健成を殺害する。
さらに、健成の交際相手である片岡二三子が殺害したように見せかける工作をした上で、二三子も自殺に見せかけて殺害するが…
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