知念実希人さんの『仮面病棟』を読みました。
外科医の速水秀悟は、当直のアルバイトのため、田所病院を訪れた。
田所病院は療養型病院で、通常病院が嫌う身寄りのない患者も積極的に受け入れていた。
午後9時を回った頃、速水は看護師からの電話で起こされて1階へ行くと、ラバー製のピエロのマスクで顔を隠した男が待っていた。
男はコンビニを襲い、逃走途中に女性に向けて拳銃を発砲していた。
私にとってはじめての知念実希人さんの作品です。
なんだか、最近は変化球ばかり見ていたような気がして、久しぶりに本格的なミステリを読んだ気分です。
病院を舞台にした作品ですが、知念実希人さん自身が医師ということもあり、安定感は抜群。
かと言って、専門用語の羅列に困惑させられることもなく、安心して読むことができます。
人質5人対犯人1人で、人質を拘束しないというちょっと変わり種の籠城事件。
他に65人の入院患者がいるとはいえ、どこか違和感を感じる展開で話が進んでいきます。
最後のどんでん返しは見事。
まぁ、なんとなく予想していたけどねーと強がりを言ってみたくもなりますが、こうも綺麗に説明されてしまうと、言い返す言葉がありません。
続編があるようなので、ぜひ読んでみたいと思います。
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