伊坂幸太郎『グラスホッパー』

伊坂幸太郎さんの『グラスホッパー』を読みました。

 

鈴木は妻を遊び半分に車で轢き殺した犯人に仕返しするため、犯人の父親・寺原が社長を務める会社に契約社員としてもぐり込むが、復讐のために入社したのではないことを証明するため、人を殺せと命じられる。
しかし、その場に立ち会う予定だった寺原の息子が道路に突き飛ばされて死亡する。
鈴木は寺原の息子を突き飛ばした〈押し屋〉を尾行するが…

押し屋を尾行する〈鈴木〉、著名人の尻拭いをするために関係者を自殺させる自殺屋の〈鯨〉、一家惨殺もいとわない殺し屋の〈蝉〉の3人の視点で交互に物語が語られていきます。
押し屋の槿を加えた4人が、クライマックスに向かって交錯していくんだろうなぁと思いながら読みはじめたのですが、思っていたよりも早い段階で絡み合うことに。
これにはちょっと驚かされました。

〈鯨〉がたびたび幻覚を見て、過去に自殺させた人物から話しかけられたり、アドバイスされたりするあたりが、好き嫌いの分かれるところなのかなぁと思いました。
私は嫌いじゃないですが、本来知るはずのものを知ってしまうという点が、気になる人は気になるんだろうなぁと。

伊坂幸太郎さんが終盤に仕掛けたトリックに、素直に騙されていれば吹き出すくらい面白かったのでしょうが、まったく引っかからなかった私は、その後の展開を予想しながら読み進み、答え合わせをすることに。
こんな時に限って、頭が冴えていた自分を恨みたくなります。
でも、そのあとにもっと大きなトリックが明らかになって、満足。

この作品、シリーズ化されているようなので、続編にも挑戦してみたいと思います。

 

 

 

 

 

 

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