米澤穂信さんの『巴里マカロンの謎』を読みました。
あらすじ
小鳩常悟朗と小左内ゆきは、名古屋に新しくオープンした洋菓子店へ行く。
2人は紅茶と3つのマカロンがセットになった〈ティー&マカロンセット〉を頼むが、目を離しているうちに小左内の皿の上に置かれたマカロンが4つに増えていた!
小鳩と小佐内はマカロンを前に、犯人と目的を推理する。
感想
マカロンが減ったというのならともかく、増えたという謎に挑む2人。
普段読んでいる殺人事件などと比べると些細な出来事なのですが、そこには深い謎が。
殺人事件のように殺伐としていないので、読んでいて心地よくなってきます。
2作目の『夏期限定トロピカルパフェ事件』で別々の道を歩むことを決めた2人。
3作目の『秋期限定栗きんとん事件』で再び小市民として一緒に歩くことを決めたわけですが、やっぱり2人が一緒の方が落ち着きます。
それほど作品を重ねたわけでもないのに、この安定感はどこから来るんだろうなぁと考えてしまいます。
個人的には、『伯林あげぱんの謎』のオチが好きでした。
表題作のほか、『紐育チーズケーキの謎』、『伯林あげぱんの謎』、『花府シュークリームの謎』が収められています。
『紐育チーズケーキの謎』
『巴里マカロンの謎』事件で仲良くなった古城秋桜が通う中学校の文化祭を訪れた小鳩と小佐内。
しかし、別行動をしている間に小佐内が3人の男子生徒に連れ去られてしまう。
『伯林あげぱんの謎』
新聞部が新しくオープンしたドイツパンの店を記事にすることになった。
4人の部員がドイツ風揚げパンを食べ、1つだけマスタードが入っている揚げパンを食べた部員が記事を書くことになったのだが、誰もマスタードは入っていなかったと言う。
『花府シュークリームの謎』
古城秋桜が年末のカウントダウンパーティでアルコールを飲んだとして、停学になった。
秋桜は自宅で年始の準備をしており、パーティに参加した同級生も秋桜は同席していなかったと言うのだが…
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