有栖川有栖『乱鴉の島』

有栖川有栖さんの『乱鴉の島』を読みました。

 

作家の有栖川有栖は、犯罪社会学者の火村英生とともに、休暇を過ごすために鳥島にある民宿を訪ねる。
しかし、2人が辿り着いたのは、黒根島・通称烏島だった。
黒根島には高名な詩人海老原瞬の別荘があり、管理人2人と海老原を慕う8人の男女、2人の子供がいた。
さらに、31歳の辣腕起業家・初芝真路がヘリコプターで乗り込んでくる。
部外者である有栖川と火村、初芝を排除しようとする空気が流れる中、最初の事件が起きる。

烏島を鳥島と読み間違えても、鳥島をカラス島と読み間違えることはあるのかなぁ?と思ってしまいましたが、確かに逆では面白くないので、そこはさらっと読み流しておくことにします。
ちなみに、タイトルにある「鴉」はカラスを表すもう1つの漢字。「乱鴉(らんあ)」というのは、たくさんのカラスが乱れ飛ぶ様子を示すそうです。

舞台は孤島。居住者がいる家は1軒のみという、クローズド・サークル。
しかし、正体不明の殺人鬼が次々と人を殺していくという話ではなく、そこに集まった人たちの目的に焦点を合わせた作品になっています。

最初の事件が起きるのは、物語が4割ほど進んだところ。
それまでに、舞台の説明や撒き餌が行われるのですが、正直、そこまでの間に重要な事柄は多くなかったかなという印象。

有栖川有栖さんらしい安定感のある作品でしたが、私はもうちょっと砕けた感じの作品の方が好きかな。
「普段着でお越しください」みたいな…

 

 

 

 

 

 

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