佐藤青南さんの『嘘つきは殺人鬼の始まり SNS採用調査員の事件ファイル』を読みました。
「あなた、誰?」
SNS採用調査員・潮崎真人が玄関の扉を開けると、見知らぬ女性が立っていた。
そして気づくと、目の前には天井が広がり、鼻からは血が…
女性は、潮崎が調査した首都テレビの志望者・灰原茉百合だった。
潮崎の調査によって、SNSの裏アカウントがバレ、不採用になったと苦情を言いに来たのだった。
茉百合はそのまま住居兼事務所に通い始め、裏アカ調査の手伝いを始めたが、調査の過程で殺人犯のものらしきアカウントを発見してしまう。
企業の採用で、志望者のSNSを確認しているところがあるという噂は聞いたことがありますが、それを上手く取り入れた作品になっています。
ただ、そんなに上手くいくかなぁと思ってしまうところも多々。
特に、潮崎が”育てていた”囮アカウントに使っていたネトカノ(ネットで付き合いのある彼女)の写真から、第3者がネトカノを特定できるのかなぁ?という考えが、最後まで頭から離れませんでした。
話は面白いのですが、ちょっと長いかなぁというのも正直な意見。
サブタイトルに「SNS採用調査員の事件ファイル」ってあるんだし、短編3つくらいにするとリズムが出て良いんじゃないかと思いました。
あと、エピローグは私の好みではなかったです。
超・主観ですけど。
なんだか、ネガティブな意見ばかりになってしまいましたが、今の時代にぴったりだし、語り口も軽快で、楽しい読書になりました。
私の年代以下くらいの人なら楽しく読めるんじゃないかなと思います。
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