真保裕一さんの『ホワイトアウト』を読みました。
あらすじ
雪に閉ざされた、日本最大の貯水量を誇る奥遠和ダムが、7人のテロリストによって占拠された。
3ヶ月前、山の事故で婚約者を失った平川千晶と、作業員十数名が人質に取られた。
犯人グループからの要求は50億円。
発電所の運転員・富樫輝男は犯人グループの襲撃時、閉鎖となったスキー場の林間コースを上っていく2人組の様子を見に出ていたため、難を逃れた。
富樫は1人、犯人グループに立ち向かう。
感想
2000年に織田裕二さん主演で映画化された作品です。
読んでいる間、頭の中に浮かんでいたのが、日本版『ダイ・ハード』。
テロリスト相手に富樫が孤軍奮闘する様子が、まさに『ダイ・ハード』なんですよね。
ということは、日本のブルース・ウィリスは織田裕二さん?
なんとなく、わかる気がします。
「映画化してください」と言わんばかりのストーリーで、読んでいると頭の中に映像が浮かんできます。
中盤まで想像通りに展開していくのですが、最後の2割くらいで急展開。
お手本のような起承転結の「転」が用意されていました。
そこからは、一気に結末へ流れ込んでいく感じです。
描写力も素晴らしく、ぐいぐいとストーリーの中に引き込まれてしまいます。
緊迫感もあって、読み終わったときに、「ふー」と息をついてしまったほど。
エンタテインメント小説としてかなりの秀作ではないでしょうか。
お時間があれば是非。
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