大倉崇裕さんの『小鳥を愛した容疑者』を読みました。
あらすじ
警視庁総務部総務課動植物管理係に所属する須藤友三警部補と、薄圭子巡査は、容疑者が飼っている小鳥の世話をするため、殺人の容疑がかけられている八木良和の部屋を訪れる。
八木の部屋には大型の鳥かごが5つあり、約100羽の十姉妹が飼われていた。
そのうちの1羽が手乗りとして育てられたらしく、さらに部屋全体に防音処理が施されていたことから、薄はある仮説に辿り着く。
感想
先に『ペンギンを愛した容疑者』を読んでしまったため、読む順番が入れ替わってしまいましたが、「警視庁いきもの係シリーズ」の1作目です。
須藤が総務部総務課に異動になった経緯が少し詳しく書かれているのと、2人の役割分担(?)がまだ曖昧だったりと、まだ荒削りな感はありますが、このシリーズの概形はすでにできあがっているように思います。
この作品に出てくる、「使用も所持も禁じられている物証」に関しては、もう少し丁寧な説明が欲しかったかなぁという印象。
興味のある方は、たとえば『美味しんぼ 第21巻 「禁断の鳥」』を読むとよくわかるのではないかと…
表題作のほか、『ヘビを愛した容疑者』、『カメを愛した容疑者』、『フクロウを愛した容疑者』が収められています。
『ヘビを愛した容疑者』
何の動物を保護すれば良いのか聞かされずに2人が向かった先で待ち受けていたのは2匹のヘビ。
ヘビの飼い主は、5日前に海に身を投げて自殺したとみられていた。
『カメを愛した容疑者』
行方不明になっている弁護士の自宅を訪れた2人。
そこでは大きなリクガメが飼われていたが、薄はある違和感を感じる。
『フクロウを愛した容疑者』
殺人の容疑で取り調べを受けている容疑者が飼っているフクロウの面倒を見るために、須藤と薄の2人は容疑者宅へ。
須藤から事件のあらましを訊いた薄は、証拠物件の中から重要な事実を発見する。
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