「二度と俺に近づくな、バカ女」
近藤美咲が筆跡鑑定を依頼した東雲清一郎は、そう言って学食を出ていった。
著名な書道家であるにも関わらず文字を書こうとしない東雲清一郎は噂通りの変人。自分の周りに人を寄せ付けない。
どうしても筆跡鑑定をして欲しい美咲は、書道部顧問の裏辻准教授から清一郎の弱点を聞き出すが…
谷春慶さんの『筆跡鑑定人・東雲清一郎は、書を書かない。』を読みました。
あらすじ
『東雲清一郎、解く。』
鎌倉学院大学に通う近藤美咲は、著名な書道家にも関わらず文字を書かず、周りに人を寄せ付けない変り者・東雲清一郎に筆跡鑑定を依頼するが、あっさりと拒否されてしまう。
美咲が筆跡鑑定をして欲しかったのは、祖父の遺品の中から見つかった、祖母以外の女性へ宛てた恋文だった。
感想
お初の作家さんです。
正直そこまで期待していなかったのですが、すっかりハマってしまいました。
いきなり「二度と俺に近づくな、バカ女」ときて、強烈だなぁと。
そこからのギャップが…となるわけではなく、4編の短編を通じて徐々に清一郎が心を開いていくような展開に。
短編だから仕方がないところはあると思うのですが、展開にあまり意外性がなく、早々と犯人がわかってしまう話がありました。
でも、このシリーズの魅力は、そこではないのかなぁと。
それくらい、人がよく書けている作品だなぁという印象を受けました。
続編もあるようなので、手に取ってみたいと思います。
収録作品
『東雲清一郎、解く。』のほか、『東雲清一郎、探す。』、『東雲清一郎、見る。』、『東雲清一郎、怒る。』が収められています。
『東雲清一郎、探す。』
別の大学に通う美咲の友人・三上紫織は、合コンで知り合った清一郎と付き合いはじめたが、浮気癖がひどく別れようとしていると漏らす。
その話を聞いた清一郎は、自分の名前を騙っている犯人を捜しはじめる。
『東雲清一郎、見る。』
海外でも有名な書家・可児盛徳が脳溢血で倒れた。
清一郎は准教授の裏辻から、盛徳の遺作になるかもしれない前衛書のタイトルを考えてほしいと依頼される。
『東雲清一郎、怒る。』
SNS上に美咲のなりすましが出現し、「現在彼氏募集中」にはじまり、1日に3人の男をはしごしたモテ自慢、下ネタまで勝手に書き連ねられた。
清一郎は犯人探しをはじめるが…




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