殊能将之さんの『ハサミ男』を読みました。
少女を絞殺し、喉にハサミを突き立てる、通称〈ハサミ男〉。
2人目の被害者を出したあと、3人目の被害者として名門高校に通う樽宮由紀子に白羽の矢が立てられた。
入念な下見を経て、ついに結構日に。
しかし、由紀子は何者かに〈ハサミ男〉と同じ手口で殺害されてしまう。
たまにあるじゃないですか。事件が起きる前から結末がわかってしまう作品って。
私にとっては、まさにこの作品がそれにあたっていて…
これは、オチがわかっていてもそれを込みで噺家さんの技術を楽しむ落語のような作品だなって思いながら、読み進めていました。
しかし、半分もいかないうちに、殊能将之さんのミスリードに見事にはまっているんじゃないかという気に…
案の定、思いも寄らぬ真実が用意されていました。
ただ、ちょっと複雑すぎるので、真相を知った上でもう1度読み直した方が良いかも。
その方が、殊能将之さんの技巧の高さが実感できるんじゃないかなぁと思いました。
結末はまさに私好み。
「こうなったら良いな」という願望どおりで大満足です。
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