殺し屋の富澤充に、2/12より後に高校生・植木雄太を殺害してほしいという依頼が舞い込んだ。
同じ頃、同じく殺し屋の鴻池知栄に、2/12までに70代の女性・床田輝子を殺害してほしいという依頼が舞い込んでいた。
雄太は3年前に父を、9ヶ月前に母をそれぞれ交通事故で亡くしていた。その母の事故の加害者が輝子だった。
石持浅海さんの『女と男、そして殺し屋』を読みました。
あらすじ
高校3年生の植木雄太は、3年前に父を、9ヶ月前に母を、それぞれ交通事故で亡くしていた。
1人遺された雄太は、隣の家に住む幼馴染みの葛西実花の家族のサポートを受け、事故を起こさない車を作るという夢に向かって1歩踏み出そうとしていた。
そんな時、殺し屋の鴻池知栄に、雄太の母の事故の加害者である床田輝子の殺害依頼が入るが、2/12までに殺害してほしいというオプション付きの依頼だった。
一方、同じく殺し屋の富澤充のもとには、雄太を2/12よりあとに殺害してほしいという依頼が舞い込んでいた。
感想
「殺し屋探偵シリーズ」の第3弾です。
5つの短編から成る短編集なのですが、表題作の『女と男、そして殺し屋』はヴォリュームが多め。
そうは言っても、やっぱり短編のヴォリュームなのですが、長編を1つ読んだくらいの満足感がありました。
一方、『父の形見』は、一風変わった作品。
これは、どう読めば良いのかな?
父の代から富澤が関わっていたと読めば良いのでしょうか?
いろんな解釈ができて、これはこれで面白かったです。
収録作品
表題作のほか、『遠くで殺して』、『ペアルック』、『父の形見』、『二人の標的』が収められています。
遠くで殺して
基本料金650万円で殺人を請け負っている富澤充に、殺害場所を指定する100万円のオプションをつけた依頼が舞い込んだ。
標的が住んでいるところから、その知人が住んでいるところを繋ぐ線上以外で殺害して欲しいのだと言う。
ペアルック
550万円で殺人を請け負っている鴻池知栄に、殺人の依頼が舞い込んだ。
夜な夜な友人と公園で大道芸の練習をしているのだが、いつも決まって男同士で色違いの服を着ていた。
父の形見
肝臓がんで亡くなった父のあとを継ぎ、無農薬有機野菜を販売する店を経営する僕は、経営コンサルタントの富澤充のアドバイスを受けて、なんとか店をやりくりしていた。
その父が残した伝票を確認していると、1つの疑念に突き当たった。
二人の標的
鴻池知栄に入った依頼は、2人の人気インフルエンサーのうち、どちらかを殺害してほしいという依頼だった。




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