【読書】長江俊和『掲載禁止 撮影現場』

長江俊和 禁止シリーズ ├ 長江俊和

「私がこの映画で表現したいのは、果てなき絶望だ……」
役者を辞める決心がつかないままずるずると年齢を重ねてしまった飯島和人は、世界的な映画監督・アザマコレヤの映画に出演することになった。
出演者たちは無人島に1ヶ月滞在し、体当たりの演技で撮影に挑むが…

長江俊和さんの『掲載禁止 撮影現場』を読みました。

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あらすじ

撮影現場

役者を辞める決心がつかないまま30代後半になってしまった飯島和人は、世界の映画祭で数々の賞を獲っている映画監督・アザマコレヤの映画に出演することになる。
出演者とスタッフたちは、無人島に滞在して文字通り体当たりの演技で撮影に挑む。

感想

「禁止シリーズ」の第4弾です。
シリーズと言っても、収められている短編間の関係はありません。
共通点は、ミスリードで読者を引っぱっていっておいて、最後にどんでん返しというパターン。
そして、最後まで書かないのだけど、どうなったのかはわかるという。
それが面白いと思うのか、つまらないと思うのかで、好き嫌いが分かれそう。

私は、2冊目の『掲載禁止』に収められていた『原罪SHOW』が忘れられなくて、その後の作品も読んでいるといった感じです。

この本の中で1番印象に残ったのは、『ルレの風に吹かれて』でしょうか。
個人的にはあまり得意でないジャンルの作品なのですが…(だから印象に残っている?)

表題作の『撮影現場』は、オチが読めてしまったかな。
でも、面白い作品でした。

収録作品

『撮影現場』のほか、『例の支店』、『ルレの風に吹かれて』、『哲学的ゾンビの殺人』、『この閉塞感漂う世界で起きた』、『イップスの殺し屋』、『リヨンとリヲン』、『カガヤワタルの恋人』が収められています。

例の支店

いんちき霊能力者の乙部を連れて廃墟にやってきた佐久間は、乙部からその廃墟で起きた悲劇について聞かされるが、そこには警察しか知らないはずの情報が含まれていた。

ルレの風に吹かれて

大学の友人・國野のあとを追って山岳地帯にある小国にやってきた私は、現地の女性と夫婦同然の関係になった。
しかし、その国では神の許しを得なければ、正式な夫婦として認められないという風習が残っていた。

哲学的ゾンビの殺人

男性が銃殺される事件が発生した。
自首してきた男は、被害者が誰なのかはわからないが、哲学的ゾンビだったので殺害したと言う。

この閉塞感漂う世界で起きた

運送会社をリストラされ、アルバイト先の工場も閉鎖されてしまった隅田肇は、どうしようもなくなって空き巣に入るが、住人が帰ってきて見つかってしまう。
ところが、住人から食事や寝る場所を提供されて…

イップスの殺し屋

ターゲットの腕の静脈に注射針を突き立て、あとは親指に力を入れるだけというところで、殺し屋の指が動かなくなった。
しかし翌朝、ターゲットは殺し屋の計画通りの方法で殺害されていた。

リヨンとリヲン

「本来の自分を取り戻すことができる場所」に連れてこられたリヨンは、自分そっくりなリヲンと対面する。
そこは、一卵性双生児ばかりが住む村だった。

カガヤワタルの恋人

加賀谷亘はストーカーに悩んでいた。
前に付き合っていた臼井由布子は加賀谷のストーカーに悩まされ、ビルの屋上から転落して死亡した。
そして、現在交際している市川里緒にもストーカーの魔の手が…

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