【読書】坂木司『シンデレラ・ティース』

坂木司 ホテルジューシー ├ 坂木司

品川口クリニック――。
大学2年生の叶咲子が、夏休みのアルバイトにと母から紹介されたのは、咲子が大嫌いなデンタルクリニックの受付の仕事だった。
クリニックを訪れる患者の中には、一癖、二癖ある人も…
しかし、人それぞれの問題を抱えていた。

坂木司さんの『シンデレラ・ティース』を読みました。

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あらすじ

夏休みのアルバイトにと、咲子が母から紹介されたのは大嫌いな歯医者の受付の仕事だった。
アルバイト3日目、1人の男性が怒鳴り込んできた。
どうやら、前日受診した高津裕美の彼氏のようなのだが、クレームをつけられた内容には誰も心あたりがなかった。

感想

先日読んだ『ホテルジューシー』の姉妹作にあたる作品です。
「ホテルジューシー」では、咲子の友人・柿生浩美が沖縄のホテルで働く様子が描かれていましたが、この作品では、咲子が歯科医の受付でアルバイトをする様子が描かれています。

いつも、連作短編集と長編の違いがよくわからなくなるのですが、どうやら連作短編集というのが正しいみたい。

『ホテルジューシー』もそうでしたが、夏休みのアルバイトを通して咲子が成長していく姿が描かれています。

はつらつとした浩美と比較して、おとなしく、押しに弱いイメージの咲子ですが、これはこれで面白い作品になっていました。

独自の食文化を持つ沖縄よりははるかに少なかったものの、美味しそうな食べものの話がちらほらと。
坂木司さんの作品の特徴の1つですよね。

収録作品

表題作のほか、『ファントムvs.ファントム』、『オランダ人のお買い物』、『遊園地のお姫様』、『フレッチャーさんからの伝言』が収められています。

ファントムvs.ファントム

新患としてやってきた本庄は、電話ではとても丁寧な話し方だったのに、いざ顔を合わせると、乱暴な言動。
しかし、咲子が夏風邪をひいているとわかると、急に優しい人物に豹変した。

オランダ人のお買い物

お使いに出た咲子は、帰り道で大雨にたたられ、シャッターが降りた薬局の軒先で雨宿りをすることに。
そこで、近くの会社に勤める昭島栄一と知り合う。

遊園地のお姫様

品川院長の孫娘・知花がやってきた。
知花は咲子の叔父の唯史や歯科技工士の四谷と馴れ馴れしく接している。
さらに、四谷に「あたし、可愛い?」と質問をしだした。

フレッチャーさんからの伝言

咲子のアルバイト期間の終了が近づいてきたある日、長沼明が通院をはじめたが、初日から遅刻。
2日目も遅刻したが、スタッフへケーキを差し入れしたり、徹夜状態が続いているというのに、フットサルをしたり、シワのないスーツを着てきたりと、ちぐはぐした行動が…

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