東野圭吾さんの『カッコウの卵は誰のもの』を読みました。
スキーアルペン競技の選手としてオリンピックに複数回出場した緋田宏昌は、自分の夢を娘の風美に託すことにした。
また、新世開発の柚木は、スポーツ選手の遺伝子に関する研究をしていて、優れた運動能力を持つ選手に備わる遺伝子を持つ人物として、緋田親子に目をつける。
しかし、緋田は風美の出生に関する重大な秘密を見つけてしまう。
スキージャンプを舞台とした作品に、『鳥人計画』がありますが、今回はアルペンとクロスカントリーが取り上げられています。
東野圭吾さん自身はアーチェリーをされていたそうですが、『白銀ジャック』など、ウィンタースポーツに関する知識も豊富。
いったい、どれだけの引き出しを持っているのだろうと考えてしまいます。
東野圭吾さんらしく、「地味に面白い」ストーリー。
アスリートが持つ遺伝子というのも面白いですし、どちらかというとマイナーな競技であるアルペンやクロスカントリーを取り上げたり、そこに親子の絆を持ち込んだりして、ページをめくる手を止めさせません。
東野圭吾さんのことだから、一筋縄ではいかないストーリーなんだろうな、と思いながら読み進めていましたが、タイトルの『カッコウの卵は誰のもの』が持つ意味を見落としていました。
ただ、東野圭吾さんにしては、最後に一捻り、二捻り足りなかったかな?とも思ったのですが、余韻にひたりながら考えてみると、これで良かったのかもと思えてきました。
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