宮部みゆき『魔術はささやく』

宮部みゆきさんの『魔術はささやく』を読みました。

 

 

9月2日、加藤文恵がマンションの屋上から飛び降り、死亡した。
10月9日、三田敦子が地下鉄のホームから飛び降り、進入してきた電車に轢かれ、死亡した。
11月14日、菅野洋子が道路に飛びだし、朝野大造が運転する個人タクシーに轢かれ、死亡した。

一方、日下守は、父で市役所の財務課長補佐の敏夫は公金を横領して失踪、母の啓子も16歳の時に亡くしたため、朝野大造の家に厄介になっていた。
朝野が起こした事故の目撃者はおらず、朝野の信号無視が原因とされかかったが、事故を目撃したという男性が現れた。
男性は会社副社長で、愛人の部屋を訪れる際に事故を目撃したのだと言う。

序盤は個人名が出ず、誰のことなのかわからない記述が散見されます。
あとになって読むと、なるほどなと思うのですが、ミステリーとして気軽に読む分には少し読みづらいかも知れません。

また、人間ドラマを読むのには良いのですが、ミステリーとして読むには、犯行方法がどうなのかなぁと思ってしまいました。
そのあたりが、タイトルにある「魔術」なのですが、個人的にはあまり好きではないかな?

ミステリーなんだけどミステリーを超えている。そんな作品でした。

 

 

 

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