赤川次郎『吸血鬼ドックへご案内』

赤川次郎さんの『吸血鬼ドックへご案内』を読みました。

 

 

西野秀代は夫の人間ドックに付き添ってクリニックへ行くが、待合室で居眠りをして起きると、公園のベンチに座っていた。
声をかけてくれたフォン・クロロックと共にクリニックを訪れるが、すでに閉院したあとだった。
夫に聞いても、人間ドックを受診していないと言う。

『吸血鬼、レッドカーペットを行く』、『吸血鬼ドックへご案内』と、吸血鬼が出てくるのですが、どうしてこんなにもクロロックたちと違うのかなぁと思ってしまいます。
わかりやすさなのか、同じ吸血鬼でも正義の味方と悪役に分かれていて、正義の味方が悪を滅ぼすというお決まりのパターンにはまってしまっています。
これを、正義の心を持ち合わせた悪役なんてキャラクターにすると、もっと深い作品になるんじゃないかなぁと思ってしまうのですが、短編では難しいでしょうか…

表題作のほか、『吸血鬼、レッドカーペットを行く』、『ささやく影と吸血鬼』が収められています。

『吸血鬼、レッドカーペットを行く』
クロロック商会がスポンサーを務める映画祭に出演するため、ドイツのクララ・ブルーメンが来日した。
しかし、クララが乗った船は一時消息を絶ち、港に着いたときもクララ以外の乗客乗員の姿はなかった。

『ささやく影と吸血鬼』
市制30周年記念行事の招待客に、かつて内部告発をして助役を辞職した夏川が紛れ込んでいた。
庶務課長の久野は、式典の最中に不審な動きをした夏川を、「大臣の影を踏んだ」としてつまみ出すが…

 

 

 

―――9/13『セピア色の回想録 杉原爽香49歳の春』発売―――

 

 

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