東川篤哉さんの『うまたん ウマ探偵ルイスの大穴推理』を読みました。
『馬の耳に殺人』
高校1年生の牧陽子は、通学中に馬と遭遇した!
歩いて30分の道のりを、馬に乗って通うことを目論んだ陽子だったが、馬は180度回って自宅方向へ。
そして、脇道へ入っていった馬が脚を止めたところには、額がパックリと割れた小太りの男が倒れていた。
自宅の牧場の馬小屋のそばで、陽子が中園巡査と話しをしていると、突然「黒沢沼をさらってみたら、どや?」という声が。
声の主は、馬小屋に繋がれているルイスだった!
ルイスの言葉は陽子にしかわからないようだが、中園巡査が黒沢沼をさらってみると、男性の変死体が見つかった。
『うまたん ウマ探偵ルイスの大穴推理』というタイトルから、馬に関して天才的な推理を見せる探偵の話なのかなぁと思ったのですが、なんと、ウマが探偵!!
まぁ、三毛猫が名探偵だったり、犬が迷探偵だったりするくらいですから、頭の大きさが大きいウマが探偵でもおかしくはない……ことはない!!
奇抜な設定ですが、なぜか関西弁を話すルイスを、あっさりと受け入れてしまっている自分がいたりします。
ルイスは陽子たちから話を聞いて推理を行うので、安楽椅子探偵ものに分類されるでしょうか(ウマが座れる安楽椅子があるかどうかは知りませんが……)
事件もそう難しいものではなく、ルイスとの推理勝負を楽しむこともできます(ウマに勝ってうれしいかどうかは別として……)
東川篤哉さんらしい、面白い作品♪
是非シリーズ化して欲しいなぁと思いながら、読ませていただきました。
個人的にはかなり好きな部類に入る1冊です♪
『馬の耳に殺人』のほか、『馬も歩けば馬券に当たる』、『タテガミはおウマの命』、『大山鳴動して跳ね馬一頭』、『馬も歩けば泥棒に当たる』が収められています。
『馬も歩けば馬券に当たる』
ガソリンスタンドで働く藤川慎太は、ブービー人気のバーチーノホシが勝利を収めた京葉杯スプリングマイルの中継を見たあと、呆然と立ち尽くしていた。
後日、藤川は牧牧場(まきぼくじょう)に副業の相談をしにやってくるが、なんと100万円もの借金を抱えているらしい。
『タテガミはおウマの命』
陽子とルイスは森の中で、近くの大学の馬術部に所属する桐原志穂の死体を発見する。
志穂の両手は前でクロスした状態のまま、ガムテープでぐるぐる巻きにされていたが、そのガムテープには馬のタテガミが付着していた。
『大山鳴動して跳ね馬一頭』
旧車をこよなく愛する田端賢三が予定をはやく切り上げて自宅に戻ると、書斎を荒らされたあとが。
盗まれたのは飾り棚の中に置いていた跳ね馬のブロンズ像と軍手……。
『馬も歩けば泥棒に当たる』
陽子がルイスを連れて散歩をしていると、「泥棒ぉーッ」という声が。
声の主はガソリンスタンドで働く藤川慎太。
陽子はルイスに乗って逃げ出してきた女を追跡するが……。
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