綾辻行人さんの『びっくり館の殺人』を読みました。
あれ?綾辻行人さんの本ってこんなに軽かったっけ?とびっくりしている間に3時間程で読み終えてしまいました。「館シリーズ」の前作『暗黒館の殺人』はとにかく不気味で重々しく、単調でいつまで続くのかと、読むのが苦痛だったのですが、この作品は改行も多く、会話文主体で進んでいくのでテンポが良いです。こんな書き方もされるんだとびっくり。
それもそのはず、この作品は少年少女向けに書かれたものだとか。確かにこれまでの「館シリーズ」を知っている身には少し物足りなさを感じるはずです。
ちなみに、軽いのは語り口だけで話の方は少し古風で不気味。江戸川乱歩さんの「少年探偵団シリーズ」を思い起こしました。少年少女向けということで少なからず影響を受けているかな?
物語は密室殺人を扱っているのですが、これまた風変わりなお話で。ページのほとんどが殺人事件が発生するまでのことに割かれています。
しかもアンフェアと言われてもおかしくないような結末。これも少年少女向けということで複雑なトリックを用いなかったからなのでしょうか。
半日もあれば読んでしまえるボリュームなので、「館シリーズ」の導入としてもお薦めです。
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