【読書】近藤史恵『モップの精は深夜に現れる』

近藤史恵 清掃作業員探偵キリコシリーズ └ 近藤史恵

キュートでスタイルも良い女の子・キリコが選んだ職業は清掃員。
掃除をするのが好きで、ピカピカになっていくのが楽しいらしい。
そんなキリコがオフィスの掃除をしていると、そのオフィスで課長として働いている男と鉢合わせ。
「そんな服装で掃除ができるはずがない」と言われるが、「服装と掃除の出来は関係ない」と、逆に言い負かしてしまう。
「清掃作業員探偵キリコシリーズ」第2弾!

近藤史恵さんの『モップの精は深夜に現れる』を読みました。

あらすじ

『悪い芽』
課長の栗山は、中学生の娘とうまくいかなくて悩んでいた。
そこに、親会社から部長が出向してき、さらに新入社員2人の面倒を見ることになる。
そんなある日、栗山は清掃員のキリコと鉢合わせる。
キリコの服装をひと目見た栗山は、「そんな格好で、ちゃんと掃除ができるわけがない」と注意するが、キリコに反論され、ついには言い負かされてしまう。

感想

「清掃作業員探偵キリコシリーズ」の第2弾です。

女清掃員探偵となっていますが、このシリーズの1番の見所は、推理ではなく、キリコが人の心にスッと入っていくところだと感じています。
推理力もさることながら、人の心に寄り添えるところ。それがこの作品を読んで心が温まる理由じゃないかなぁと。

最後に収められていた『きみに会いたいと思うこと』は、自分自身と照らし合わせながら、じっくりと、じんわりと読ませていただきました。


その他、『鍵のない扉』、『オーバー・ザ・レインボウ』、『きみに会いたいと思うこと』が収められています。

『鍵のない扉』
たった5人の会社〈鹿原企画〉の社長が亡くなった。
ぜんそく持ちだった社長は、自宅に入り込んだ猫の毛を発端に発作を起こしたのだった。

『オーバー・ザ・レインボウ』
モデルの葵は、同じ事務所に所属するモデル・ケンゾーに二股をかけられていたことを知る。
さらに、葵がやったかの如く、ケンゾーが二股をかけていたサーシャへの嫌がらせが始まる。

『きみに会いたいと思うこと』
キリコが1ヶ月の予定で旅に出た。
キリコが介護していた祖母は一時的に施設に入り、家には大介と父、猫の兄やんが残ることになるが、日を増すごとにキリコの存在の大きさを感じさせられる。

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