内田康夫さんの『他殺の効用』を読みました。
山久物産の社長・山橋啓太郎が自宅近くの仕事場で首を吊っているのを発見された。浅見の母・雪江の俳句仲間で同社専務の久永は、社長は殺害されたのではないかと、浅見に相談を持ちかける。自殺するにしても、約五十億円の生命保険が入るようになる、三日後以降にしたはずだと言うのだ。
内田康夫さんがかねてから苦手だと言い続けている短編小説ですが、この作品は起承転結がついていて、短編ならではの浅見光彦の面白さが出ているように感じました。
この作品で浅見は、「仕掛け人」の手のひらの上で踊らされることになります。
五十億円にもなる生命保険が受け取れるようになる二日前に自殺するはずはないと、事件のからくりを暴き出しますが、「仕掛け人」の思考は浅見をも上回っていたのです。
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