【読書】秋吉理香子『婚活中毒』

婚活…
出会いがないから、親に言われて、周りがどんどん結婚していくから…
理由は人それぞれですが、”婚活”と言われると、なんとなくではなく、積極性を感じます。
親が結婚相手を見つけてきてくれていたお見合い結婚が大半を占めていた時代から、自分で結婚相手を探す恋愛結婚が多くを占めるようになった現代。
そこに掘られた落とし穴とは？

秋吉理香子さんの『婚活中毒』を読みました。

あらすじ

『理想の男』
アラフォーの吉本沙織は、これまで付き合っていた男性に振られてしまった。
この年齢ではもう見合いの話はなく、母親から結婚相談所への登録を勧められる。
地元の個人で経営している結婚相談所に登録した沙織は、さっそく杉下圭司という男性を紹介される。
まさに、沙織の理想の男性像。
しかし、なぜこんな男性が今まで売れ残っていたのだろう？
付き合ってみても、欠点は見当たらないのだが…

感想

婚活にスポットライトを当てた短編が4編。
結婚相談所への登録に街コン、お見合い番組に代理婚活と、その種類は様々です。
それにしても、代理婚活なるものが存在するんですね。
結婚しようとしない子供にしびれを切らした親をターゲットにしたサービスでしょうか…
いまいちピンときませんが、そうでもしなければという親の気持ちはわかるような気がします。

どの作品も、最後は「女性って怖い！」と思ってしまいます。
男女差別だとか、いろいろ言われそうですが、やっぱり怖い。
ただ、最後の『代理婚活』に関しては、男女の立場が入れ替わっても成り立つ話なので、婚活に集中しすぎて周りが見えなくなってしまっているのかなぁとも。

現代社会らしい、面白い短編集でした。

『理想の男』のほか、『婚活マニュアル』、『リケジョの婚活』、『代理婚活』が収められています。

『婚活マニュアル』
アラサーの矢部圭介は、BBQ場で行われる街コンに参加。
同じテーブルには、看護師の上原愛奈と田渕靖子が。
圭介は、参加者の中で1番の美人の愛奈と付き合うことになるが。

『リケジョの婚活』
30歳、リケジョの後藤恵美は、人気婚活番組に参加。
お目当ての男性のことを調べ上げ、告白を成功させようとデータを更新していく。

『代理婚活』
息子の孝一が仕事に熱中し、婚活に時間を割かないことにしびれを切らした石田夫妻は、代理婚活に参加した。
そこで1番人気だったピアノ教師・吉村葉子から、後日食事の誘いを受ける。