内田康夫さんの『長野殺人事件』を読みました。
品川区役所で働く宇都宮直子は、税金の督促で訪れた男の家で書類が入った角封筒を預けられる。自分が死ぬまで預かっていてほしいと頼まれたのだが、本当にその男性が長野で殺害されてしまった。直子の様子を見かねた夫の正享は友人である浅見に相談を持ちかける。
事件捜査のため長野を訪れたは、「信濃のコロンボ」こと竹村岩男警部と再会する。
長野県知事選を舞台にした作品になっています。
「脱ダム宣言」で有名な田中康夫元長野県知事をモデルにした秋吉知事の三選をかけた選挙と、長野オリンピックを巡る使途不明金問題がストーリーの根底にあります。
『軽井沢殺人事件』、『沃野の伝説』に続き、3度目の「信濃のコロンボ」こと岩村警部との共演作となっています。
しかし、三度目の共演ながら、今回も浅見と竹村の推理合戦はお預けとなっています。
推理は常に浅見が一歩リードしていて、竹村がそれに追随する形。最後の最後にようやく竹村が一矢報いますが、やはりこの二人が共演するのですから、バチバチの推理勝負が見たいと感じました。
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