内田康夫『神苦楽島』

内田康夫さんの『神苦楽島』を読みました。

ついに母・雪江から携帯電話所持の許可が出た浅見は、さっそく携帯電話を買いに出かける。しかし、意気揚々と店を出た浅見のもとに女性が倒れ込んできた。
「旅と歴史」の取材で淡路島を訪れた浅見だが、淡路島では二週間前に高速道路の上から死体が遺棄されるという事件が発生していた。

淡路島は「国生み神話」の中で、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)が、天沼矛(あめのぬぼこ)で下界をかき回し、日本で最初に生まれた島であるとされています。
そのためか、淡路島では現在も様々な神事が執り行われ、さらには他の地域と比べ、呪いや祟りといったものなども住民たちの間に根付いているように思います。
この作品では、そういった島の神秘的な側面にスポットライトが当てられています。

怪しげな宗教団体や、実態のない団体を介した政治献金などを、事件の背景として取り上げていますが、今ひとつ活かしきれていない感があります。
政治献金については追及が不十分ですし、宗教団体についても、浅見との全面対決になるのかと思いきや、表面上を取り繕っただけになってしまっていて、物足りなさを感じました。

 

 

 

 

 

 

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