内田康夫さんの『壺霊』を読みました。
あらすじ
浅見は京都の骨董品店の娘・伊丹千寿から母・佳奈と壺を探してほしいと依頼を受ける。
佳奈は一ヶ月前に開催された骨董市に出かけたまま行方がわからなくなったが、その骨董市で佳奈の前を歩いていたのを目撃された上田京子が殺害される。
また、佳奈と共に行方不明となった壺を「紫式部」と名付けた大勝涼矢は七年前に、駆けつけた救急隊員に「……みやこ××た×……」と言い残して病死していた。
感想
大勝涼矢が残した「……みやこ××た×……」というダイイングメッセージがには三つの意味が持たされています。
普段なら物語の半ばで呆気なく解読されることが多いダイイングメッセージですが、今回は最後の最後まで本当の意味が明かされません。
しかも、ダイイングメッセージの謎を解き明かすのが、犯人自身であるというからまた変わっています。
京都が舞台ということもあり、生霊や怨念といった話が自然に出てきます。
お化け嫌いの浅見もナーバスになっていて、湯沸器が「お風呂が沸きました」と喋るのに、飛び上がって驚く浅見の様子は滑稽です。
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