ジェフリー・アーチャーの新作『レンブラントをとり返せ ―ロンドン警視庁美術骨董捜査班―』を読みました。
あらすじ
若き青年ウィリアム・ウォーウィックは、父のあとを追って法曹界へ入る道を蹴って、大学で美術を学んだあと、警察感への道を志した。
地域巡回任務を経て刑事へ昇進したウォーウィックは、美術骨董捜査班へ配属され、美術館から盗み出されたレンブラントの名画『アムステルダムの織物商組合の見本調査官たち』を追いかけることになる。
また、同時に、『アムステルダムの織物商組合の見本調査官たち』が飾られていた美術館の調査助手ベス・レインズフォードと恋に落ちる。
しかし、ベスにはウォーウィックに告げられない秘密を抱えていた。
感想
タイトルの『レンブラントをとり返せ ―ロンドン警視庁美術骨董捜査班―』、そして、主人公の『ウィリアム・ウォーウィック』という名前を聞くと、J, アーチャーのファンの方は、心をくすぐられるのではないでしょうか。
まず、『レンブラントをとり返せ ―ロンドン警視庁美術骨董捜査班―』というタイトルからは、J. アーチャーのデビュー作『百万ドルをとり返せ!』を思い浮かべてしまいます。
内容的に通ずるものはありませんが、『百万ドルをとり返せ!』を意識したタイトルになっていることは間違いないでしょう。
そして、ウィリアム・ウォーウィックという名前は、『クリフトン年代記』でベストセラー作家になったハリー・クリフトンが書いていた小説シリーズの主人公の名前ではないですか!
読者からのリクエストを受けての作品化となったようですが、4部作になる予定ということですから、これまた壮大です。
御年80歳のJ. アーチャー氏。
自分が長生きできるかどうかが、シリーズを完結させられるかに関わっていると、ジョークを飛ばしていますが、老いてなお、その筆力は衰えていません。
作品の方は、いかにもJ. アーチャーらしいものになっています。
複雑に伏線が張られていて、それを最後の(お得意の)法廷シーンで回収していく。
ただ、法廷でのシーンに大きな影響が出るだろうと思われた、ウォーウィックが犯した過ちについては、表に出ることがありませんでした。
ウォーウィックにとっては、ほっと一息というところでしょうが、次回作以降に影響が出るのでしょうか?
はやくも、次の作品が楽しみでしかたありません。
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