宮部みゆきさんの『R.P.G』を読みました。
あらすじ
カラオケボックスでアルバイトの女性・今井直子が殺害される。
3日後、今度は建築中の建物の中で、所田良介が殺害されるが、遺留品などから2つの事件は同一犯によるものと断定される。
所田は、インターネット上で妻、息子、娘役の4人とチャットやメールを楽しんでおり、理想的な家族を創りあげていた。
警察は所田のインターネット上での家族を署に呼び、実の娘・一美に、見覚えのある人物がいないか確認する。
感想
インターネット上で家族が構成されるというのは、どういうシチュエーションなんだろうな?ということをずっと考えながら読んでいました。
親子のような関係とか、兄弟のような関係など、2人の関係が親密になる状況までは想像できるのですが、両親と息子、娘の4人の関係ができるというのがどうも…
一応の説明はされているのですが、父と娘という関係の中に、息子が飛び入り参加し、母が飛び入り参加するというのが、なかなか想像できません。
私自身、妻とはインターネット上のファンクラブのようなところで知り合ったのがきっかけなのですが、その私でも…
まぁ、世の中にはいろんな人がいますし、可能性は無限大と考えれば、決してない話ではないのかも知れません。
現実世界ではうまくいかないから、バーチャルの世界:インターネット上に新たな環境を求めると考えれば、現実味も増してきます。
ただ、そうすると…というところが、この作品の本題。
殺人を犯した犯人については、この人絶対に怪しいよねって人物がいて、まさにその通りの結末に。
もう少し捻りを入れるか、フェイクを入れてくれると、もっと楽しめたかなぁ。
でも、最後にカラクリのタネ明かしがあって、それには唸らされました。
「愛」を感じる、興味深い作品でした。
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